君は、俺のもの（blue） ページ9
冷蔵庫から冷たい水のペットボトルを一本取り出し、乾いた喉を潤す。
そして、それを片手に身動きできない北斗の元に戻る。
はぁ…。
甘いため息が一つ聞こえる。
愛し合った後、必ず北斗は身動きできなくなる。
俺が激しいのか？
いやいや、北斗が敏感すぎて体力をかなり消耗するんだろう。
今日もいつも通りシーツに埋もれ、体をうつ伏せにしながら顔だけを横に向けてトロリと眠たげな視線を俺に向ける。
そんな北斗の視線を受け止めながら隣に座り、剥き出しの肩から背中を撫でる。
手に吸い付くような北斗の素肌。
ふだんはサラリと冷たい北斗の肌だが、今はシットリと熱く柔らかな肌になっている。
そんな北斗の背中の真ん中にチュッと一つキスを落とす。
「…っ…冷たい…」
冷たい水を飲んだ後の唇だったから、冷たかったのだろう。
「樹…俺も…水…飲みたい…」
そんな愛しい人の要望に俺は水を一口あおると、そっと抱き起こし、口移しでゆっくりと水を飲ませた。
北斗の喉がコクン、コクンと動き、俺から与えられた水を飲み干す音が聞こえる。
「…もっと飲むか？」
「うん…」
何度も水を口に含み、北斗に水分を与える。
まるで求愛給餌をしてるかのような行為。
北斗の唇の端から飲みきれなかった水が溢れ、首筋から胸に滴り落ちる。
「あ…」
俺は北斗の溢した水を、胸から首筋にかけて舐める様に拭っていく。
「甘いな…」
チュッ、チュッ…
水が甘いのか、
素肌が甘いのか？
そのまま北斗を横たえさせ、素肌に唇を落とす。
首、肩…背中…。
喰む様に、舐める様に、甘噛みしたり…、
北斗の全てに唇を落とす。
「…あっ、ん…樹…今、もう、むり…だよ…できない…」
「…しねーよ…ただ、キスしてるだけだ」
「うん…、あ…ん…でも、ねぇ…じゅり…そんなに沢山…キス…しないで…」
甘い甘い吐息を繰り返す北斗。
「気持ちいいだろ？」
「…うん…だ、だ、けど…」
「そのまま、気持ち良くなっとけ。これはおまじないみたいなもんだから」
「…おまじ、ない…？」
「そう、北斗は俺のもんだから、誰にも取られないようにっておまじない」
俺がそう言うと、北斗は一瞬驚いた顔をしたけど花が咲くようにふんわり笑った。
「じゃあ、おまじない…してもらう」
愛しい人は、そう呟くとまぶたを閉じ幸せそうな表情を見せた。
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2022年1月18日 21時
