Sweet × Sweet (ページ8)

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蜜と蜜（blue）ページ8

「樹、おはよ！あのね、美味しい蜂蜜もらったんだよ」

休日の朝。

朝ゆっくり起きると、キッチンで北斗がニッコリ笑いながらパンケーキを焼いていた。

甘い甘い匂いが部屋全体に広がる。

「ほら、早く座って！」

促されるままに椅子に座ると、北斗がふんわりと焼けたパンケーキを乗せたお皿を持ってきた。

「はい、焼き立てだよ。温かいうちに早く食べてね！」

パンケーキにはバナナやイチゴ、オレンジ、ブルーベリー…沢山のフルーツも綺麗に盛られていてお店顔負けの素晴らしい出来栄えだった。

そこに北斗が美味しいからと言っていた蜂蜜をたっぷり掛ける。

黄金色の蜜がトロリとパンケーキを覆い、ナイフを入れると蜂蜜がジュワリと染み込む。

一口サイズに切り分け口に放り込むと、柔らかなパンケーキはすぐにとろけて、甘い幸せが舌先を包み込み。

「ね〜樹？美味しい？まだまだ沢山焼くから、先に食べててね〜！」

北斗はキッチンからひょこっと顔を出してそんな事を言ってきた。

俺はパンケーキの皿を持って席を立つとキッチンの北斗の元へ行く。

「樹…？どおしたの？」

「ん…お前も、食べろよ…」

「え？あ、俺は後でいいから、先に樹食べてていいのに…」
　
「いいから、ほら」

北斗に蜂蜜をたっぷり付けたパンケーキを刺したフォークを差し出すと躊躇いながらもそのパンケーキをパクンと食べた。

「あ…美味しい…！」

「だろ？」

「うん…！美味しいね！」

ほっこり笑う北斗が可愛らしくて、俺も目尻が下がる。

「一緒に食べよぜ…？俺、1人で先に食べるのは嫌だ…」

”やっぱり食事は2人がいい”

そう耳元で囁けば直ぐに真っ赤になる北斗。

そんな北斗が可愛すぎて、火を止めさせフライパンを作業台に置かせてからぎゅっと抱きしめる。

「じゅ、樹…？」

「北斗…お願いがある。パンケーキもいいんだけど、実は食べたいものがあるんだ…」

北斗の耳元でそう囁く。

「ん？いいよ！樹、何食べたいの？なんでも作るよ！」

「北斗」

「え？？」

「だから、北斗が食べたい」

「…じゅ、樹…？！」

「なぁ、味見していい？」

北斗の耳たぶを少し齧るように舐める。

「…んぁっ…！」

耳たぶを舐めただけで体をビクッとさせて、甘い声をあげ、俺にしがみつく北斗。

「うん、甘いな…」

「…ねぇ、じゅり…まだ、朝…だよ…？」

朝？

そんなの関係ないよ。

だって俺たちは新婚なんだ。

蜂蜜より甘い蜜月中なんだからさ。

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