Sweet × Sweet (ページ49)

今日:71 hit、昨日:83 hit、合計:265,747 hit

・ページ49

残業もなく仕事が終わり、今日は北斗に会いたいなと思ってLINEするけど既読は付かないし、電話にも出ない。

「おかしいなぁ？出かけてる？」

俺はお土産に小さなケーキを２つ買って北斗から貰っていた合鍵を使い、北斗の部屋に入る。

すると、北斗はソファーで寝てて、顔の下に雑誌を敷いて眠っていた。

無防備で可愛い寝顔。

「…北斗、北斗…起きて？こんなところで寝てたら風邪ひいちゃう…」

「ん…慎太郎…と…けっこ、ん…したいよぉ…」

「へ？…北斗…？！」

「…むにゃ…zzz…zzz…」

北斗は爆弾発言ならぬ爆弾寝言を言ってまた寝息を立て始めた。

北斗の顔の下にある雑誌を見たら、それは結婚情報誌で…涙で少し紙が濡れていた。

もしかして…北斗は俺と結婚したいって願ってる？

俺はもう自分の気持ちを抑えたりしなくていいのだろうか？

年上だからって、本当は甘えん坊のくせに素直に甘えてこない北斗。

だから北斗を甘えさせるのも一苦労なんだけど、その一苦労すら愛おしいと思うくらい俺は北斗にゾッコンだ。

これからの人生を寄り添って生きていきたい人は北斗以外あり得ない。

俺は少し考えた。

そしてーーー決めた。

「北斗、北斗、ほら、起きて！大事な話があるんだ」

北斗を優しく揺り起こす。

「ん…あれ…？慎太郎…？」

寝ぼけ眼を擦りながらゆっくり覚醒してくる北斗は、俺がそばにいる事が理解できた瞬間、飛び起きて顔に敷いていた結婚情報誌を背後に隠したのだ。

…もうさ、今更バレバレですよ、北斗さん。

「な、な、なに？…平日に…慎太郎どーしたの？」

「ん？北斗に会いたかったから来たの。北斗に言いたいことがあって」

俺は真剣な顔をして北斗の見つめた。

「…言いたいこと？」

北斗はビクッとして表情が固まる。

北斗が今、何を想像してるか手に取るように分かりますよ。
きっと北斗は俺から悪い話をされるのではないかと思ってる。

「いや、聞きたくない…！」

「聞いてもらわないと困る」

「やだやだ、聞かない！」

北斗は耳を塞ぎながら顔を左右に振りながら話を聞きたくないと駄々をこねている。

だけど俺は北斗の手を耳から外しギュッと押さえた。

「北斗…俺と…」

「いや！…言わないで！慎太郎！聞きたくない！別れたくないよ…！」

「結婚して下さい！」

「………え…？」

.