Sweet × Sweet (ページ44)

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「北斗、こんな所でどうした？」

「な、なん、でもない…」

頭の上から樹の声。

もう告白は終わったのだろうか。

「もしかして…さっきの、告られてるの見られちまったか？」

「…相変わらずモテるね、樹は…。可愛い子だったね。付き合わないの？」

自分で言ってて胸がズキズキ痛む。

「付き合わねーよ。俺、好きなやついるし。そいつじゃなきゃ嫌だから」

「え…？樹…好きな人…いたの？！」

「あぁ…まあ、な…」

ほんのり頬を染めて照れてる樹の顔なんて…初めて見た。

「鈍感な奴だから…俺が分かりやすく好意を示しても全く分かってないんだよ」

「そうなんだ…」

ううっ…もう辛いよ…そんな話、樹から聞きたくなかった。

「そうそう、今も泣き出しそうな顔して俺を見ててさ…」

「…そうなんだ…」

「だから…、今、俺の目の前で泣き出しそうな顔してる奴が…俺の好きな人なんだけど。なんで気付かないんだろうなぁ…ここまで言ってるのに…」

「…樹？」

樹の視線と俺の視線が重なる。

「北斗…俺はお前が好きなんだよ。初めて声掛けた時から…ずっと好きだったよ」

「じゅ…り…？」

突然の樹の告白に驚いていると、樹は俺の手を取りギュッと握り締めてきた。

「松村北斗さん、俺の恋人になって下さい」

「樹…」

涙がポロリと溢れた。

「北斗、さっきから『樹』としか言ってないな。なあ、返事は？」

そんなの…そんなの…決まってる…！

「樹…おれ…俺も…樹が好き…！」

樹は俺からの返事を聞くと同時に強く抱きしめてきた。

そしてお互い顔を見交わし、ゆっくりとどちらからともなく唇を寄せ合った。

大好きな彼との初めてのキスは…

小説で読んだ通り甘酸っぱい味がした。

これから沢山の初めてを樹と経験していくのだと思うとちょっぴり怖くもあり…、
でも、きっと樹とだったら何でも幸せなんだろうなと思った。

「樹…これからは恋人として…よろしくお願いします」

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