Sweet × Sweet (ページ27)

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サプライズ（blue）ページ27

幸せは手のひらから、あっという間に零れ落ちる。

早朝の朝日がベランダから差し込んで、部屋をゆっくり明るくしている。

隣でぐっすり眠っている樹。

寝顔すらイケメンだ。

細身なのに筋肉がしっかり付いてて、一見すると鋭い感じもするけど、一回でも樹と話したらその優しさに惹かれる。

社内でも仕事も出来る1番人気の有望株。

樹はなんで俺と付き合ってるんだろう？

確かに入社同期だし…誰よりも一緒の時間を共有してきた。

人付き合いが苦手な俺の手をさりげなく引っ張り、社内での俺の居場所を作ってくれた。
いつも知らない内にフォローしてくれた樹に惹かれない理由はなかった。

樹への想いは秘めたまま、ずっと同期としてやっていくつもりだったのにまさか樹からの告白。
　

今まで生きていて1番幸せを感じた瞬間だった。

樹とプライベートで過ごす時間も増えて…いつの間にか一緒に住む様になり、2人しか知らない時間を沢山共有してきた。

樹は優しくて毎日が幸せだった。

だけど俺はちょっとだけ不安だった。

…本当に樹は俺でいいの？

もしかしたら、いつか違う人を好きになってしまうかもしれない…と。
　

そして、やっぱり、その不安は的中したのだ。

先日、樹が社内でも1番可愛いと言われてる受付の女の子と有名なジュエリーショップに入っていく姿を目撃してしまった。

そうか。

樹…新しい彼女できたんだね。

言ってくれたら良かったのに。

俺は、樹に幸せになってほしいから…我儘なんて言わず、ちゃんと素直に別れるのに。

ぐっすり眠る樹を見つめてると、生温かい水滴が自分の頬を濡らした。

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