ずっとずっと（blue） ページ21
俺の好きな人は、報われない恋をしている。
北斗は高校入学時に同じクラスになったクラス１の人気者のアイツと一緒につるむようになってから、側からも分かる位アイツに惹かれていった。
北斗は、自分の気持ちに嘘をつきアイツの”親友“というポジションを手に入れ、1番近い場所に居座り続けていた。
だけどーーー北斗の心はもう限界だった。
なぜなら、北斗の好きなアイツに恋人ができたから。
「悪い、俺今日は約束があるから！」
爽やかに照れ笑いをしながら帰るアイツを、クラスメイトと一緒にひやかしながら見送る北斗。
一見、顔は笑ってる様に見える。
だけど、きっと北斗の胸は張り裂けそいなくらい傷ついてるはず。
1人で放課後の教室に居残って試験勉強をしていた北斗を背後から抱きしめる様にそっと目隠しをした。
「だーれだ！」
「もう、すぐ分かるよ、樹でしょ？」
「なんで分かるんだよ！」
「分かるよ、生まれた時から一緒だもん」
北斗と俺は自宅も隣の幼馴染。
俺と北斗は誕生日も二日しか違わない。
まるで双子の兄弟の様に育った。
「樹…？手放してよ、このままじゃ何にも見えないよ」
なんの警戒心もなく俺に身を委ねる北斗。
なあ、俺がずっとお前に片想いしてるってお前は知らないだろ？
俺はずっと北斗を見てきた。
産まれた時からずっと。
ずっとお前を見ている俺には、上手く隠してるつもりのお前の気持ちが手に取るようにわかるんだ。
「なあ、北斗、泣いてる？」
「なんで？泣いてないよ…」
「そうか、なんか泣いてる様に見えたぞ」
俺がそう言った瞬間、目を塞いでる手が濡れた。
北斗の目から涙がポロリポロリと流れていたのだ。
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2022年1月18日 21時
