Sweet × Sweet (ページ13)

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待ち人来たる（blue・オメガバ）ページ13

いつからか感じていた。

いつも誰かに見つめられてる…。

強い視線ーーー熱視線。

その視線は物語っていた。

ーーー逃げるな、お前は俺のものだろ…と。

俺はその視線に気付かないように…避けるように生活していた。

だけど…そんな生活も終わった。

ついにーーー彼に捕まってしまった。

この全寮制の学園はαとΩの校舎が分かれていた。

だからαとΩが一緒になるのは渡り廊下ですれ違う瞬間だけ。
そんな管理が厳しいこの学園も年に一度αとΩの交流会があり、そこで番を見つける者も沢山いたが、俺は今まで番候補すら見つけられなかった。

そんな俺だけど、3ヶ月前からなぜか首筋がジリジリ焼け付く様な視線を感じていた。

誰？誰なの…？

こんなに首筋が疼く視線を向けてくるなんて…αしか考えられない。

しかもかなり上位αに違いない。

怖い…。

俺はΩの中でもフェロモンが弱い下位Ωだから、力の強いαの存在は恐怖でしかなかった。

だから彼に捕まった瞬間、絶望しか無かった。

「は、離して…！」

「…無理、もう逃げるな…お前だってわかってるだろ？」

細身だけど、しなやかで黒豹の様なαに捕まり…壁際に縫い止められた。

「やっと…見つけたんだ…俺の運命…」

「う、運命…？」

自分でも分かるほどの震えた声…。

「そう、運命の番…ずっとずっと探してた。3ヶ月前に転校してきて直ぐに見つけた…。ずっと見つめていたのにお前は全く振り向いてくれなかった…つらかった…」

黒豹の様な彼に抱きしめられた。

彼からはスパイシーな中に甘さが混じった香りがした。

あぁ…いい匂い…。

まるで彼をずっと求めていたかの様に彼のフェロモンに惹かれてる。

さっきまで怖かったのに…今はずっと彼に抱き締めていて欲しいと願う自分がいた。

「北斗…いい匂いだ。清楚な百合の花の香。でも俺のそばにいるから百合の花の匂いが段々濃くなってきてる。北斗のフェロモンが俺に反応してる…」

「あなたの…名前は…？」

「俺は樹だよ、北斗。お前の番だよ」

「樹…」

「北斗…ずっと、ずっと、探していたよ。俺の唯一の番…愛してる」

ハンサムな顔をクシャクシャに破顔して愛を告げる樹に、俺もやっと気付たのだった。

やっと出会えた、運命の番ーーー。

あまりに強いαだから怖かった。

だけど一度でも出会ってしまえばもう離れることなんて考えられない。

「俺も、ずっと待っていたよ…樹…見つけてくれてありがとう…」

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