俺と可愛いケダモノ

昨日を引きずる小心者の俺 ページ19

「ふぁ〜あ…」

あくびが止まらない。

今朝は寝起きから、なんとなく寝不足を感じた朝だった。



昨夜は疲れていたから早めにベッドに入った。

早く寝て、嫌な事は忘れてしまおうと思ってたのに何故か京本の顔がチラついていて…なかなか寝付けなかったのだ。



いつも通りに家を出て学校に向かうが、なんとなく足取りは重たかった。

いつもなら半日授業の嬉しい土曜日。
だけど、今日なんとなく憂鬱な土曜日だった。

まあ、憂鬱な気持ちの原因は分かってるんだけどさ。

はっきり言って、昨日の京本との事をまだま引きずってるんだ。

昨日、俺と京本がキスした事は誰も知らないんだから、別に人の目なんか気にする必要なんか無いんだけどさ…。

だけど、初めてキスした自分がどこか変化してて誰かにそれがバレるんじゃないかって、バカみたいにあり得ない心配までしてる自分がいた。

小心者の俺は、何故か周りの目が気になって仕方なかった。



昨日の事は忘れようと決めたけど、なかなか直ぐに気持ちの切り替えってできないもんだよね…。


「はぁ〜…」
　

今日何度目かの大きなため息を吐きながらトボトボ歩いていると、突然、ドンと背中を叩かれた。

「よ！北斗！おは〜！」

「あ、樹！おはよ…」

相変わらず元気な奴だ。

「ん？北斗なんか元気ないなぁ？あ、お前、昨日体調悪くて早退したんだっけか。大丈夫か？」

「ん？あ、うん…大丈夫…」

「それならいいけどさ。昨日の午後は突然の校外学習でさぁ。なんでも珍しい博物館の団体予約がキャンセル出て急遽見学できるようになったって言うからビックリだよね。まあ、俺的には教室で眠たくなる授業受けるより楽しかったけど。北斗も行ければよかったのに残念だったよな〜」

「ふーん…そうなんだ？」


へー…珍しい話だ。

そんな急に博物館のキャンセルが出て、見学なんて行けるものなんだ？


昨日の校外学習の事を楽しそうに俺に話をしてくる樹。

そんなに楽しかったんだ。
俺も行きたかったなぁ…。

樹の身振り手振り付きの話を聞いてるうちに、あっという間に学校に着いてしまった。



「あ…！樹、先に教室行っててくれる？俺、ちょっと事務室に寄って行くから！」
　
「お！分かった！じゃあ、先に行くな〜！」
　

俺は授業前に学生手帳の再発行の手続きをしておこうと思い、事務室へと向うことにした。




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嫌な予感って当たるんだよね？→←犬に噛まれたと思って忘れましょう！

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