ほくとをちょっと長く愛でる２

つかまった４　by北斗 ページ4

帰宅してお布団に入ってからもグルグルと今日の出来事を考えてしまった。

京本とキス。

そっと自分の唇を撫でた。

触れ合った京本の唇、柔らかかった。
でも、そのキスは有無を言わせない強引さがあって唇同士が触れ合うだけの優しいキスではなかった。

京本は強引に口内に割入ってきて舌を絡めとられ吸われ続け…翻弄された。

京本に舌を絡められ、吸われ…腰から背筋にゾクゾクとした痺れが走った。

こんなキス…したことない！
こういうキスは普通は恋人同士がするものなんじゃないの？

恥ずかしながら…俺は個人的な恋愛は疎くて…そういうのがよく分からなかった。
アイドルとして理想の男性像、彼氏像を演じてきてるけど、実際の俺は女の子と付き合った事は一度もなく、恋愛は超ど初心者…。
キスだって仕事でしかした事ない。

俺が京本に触れようとしたのが、そんなに嫌だっのかな。

ズキッ！

そう思うと胸が痛んだ。


京本は大好きな先輩で。
同じメンバーになった今でも憧れの存在で尊敬してる。

でも、思春期真っ只中から俺は意識するあまり京本と話もできなくなり…近寄ることも出来ず、避けまくった。
京本もそんな俺を見限ったのか徐々に離れて行った。

大人になった今は、大人な付き合いは互いにできるけれど、2人の距離はとても遠い。

自分が撒いた種だからしかたないよね。

本当は京本と昔みたいに仲良く話したいし買い物とかも行きたい。

でも…もう、無理なんだ。

京本は昔から綺麗だったけど、大人になりもっと綺麗になった。
その綺麗さの中に大人な男の色気も漂う様になった。

俺にとって更に遠い憧れの人になった。



さっき、なんで京本に触れようと思っちゃったのかな。
馬鹿な俺。
後悔先に立たずってやつだ。

京本は俺が恋愛に不慣れだと分かっているから、からかい半分に罰としてお仕置きでキスしてきたのかもしれない。

でも、きっとこんなこと今日かぎり。

京本は明日からも毎日キスするって言ったけど、それは冗談に違いない。
最後は笑っていたしね。

男同士で、ましてや仕事のメンバーにキスをし続ける馬鹿はいない。

しかも…俺は京本から嫌われてる。

「はー…もうこんなこと考えても仕方ないか。今日のことは忘れよう…」

明日からしばらくメンバー全員での仕事が続くし、こんなこと気にしてたら、仕事出来なくなっちゃう。

早く寝ないと…明日に差し障る…！

俺は頭まで布団をかぶって、強引に寝てしまうことにした。

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