甘くて美味しい

魅力 ページ3

最近は、だいぶ京本との距離も測れるようになったんだ。

Ωと分かった思春期…かなり長い期間模索して、物理的に距離を置いた時期もあったんだけどね。
大人になった今では話もするし、ジャレ合うこともたまにはあるよ。

樹が「きょもほく」っていじり始めてから、ちまたでは「きょもほく」が認知されてきて…嬉しいやら恥ずかしいやら…なんとも微妙な感じで…最近、ちょっとぎこちないんだ。


今日は、ペアで撮影日。

俺のペアは京本。

…嬉しいけど…微妙…緊張するわ。
しかも、今日の衣装、う、薄い。
キラキラ、ピラピラしすぎてない？
俺は衣装を手に取って固まってしまった。
京本が着れば、すごく美しいし魅力倍増だろうけど、俺がこんな薄いピラピラ衣装は…絶対似合わない…。
京本の方を見ればもうメイクも終わり衣装を着て準備終わってる。

「北斗？どーした？早く衣装着替えて。俺、先にスタジオ行ってるよ！」

「あ、うん。先に行ってて。すぐ用意するから」

京本はそう言って俺をチラリと見て、控室を出て行った。


αダブルの京本とペア撮影は緊張する。

物理的に近くなるし…って言うか、手を繋いたり、ハグしたり、最近身体の一部が密着する撮影が多い気がするんだよね。

薬も飲んでるから大丈夫なはずだけど、やはり京本の魅力は俺には眩しいよ。

惹きつけるパワーが普通のαの比較にならないって言うのかな。
京本を見てると目が離せなくなる。

最近…京本の近くにいるとなんか胸が痛むの。

そして身体が熱くなる感じがするんだ。
熱はないんだけど…おかしいね。
やっぱりαダブルの力のせいかな？


ペシペシ！

俺は顔を両手で叩いて気合いを入れた。

「グズグズしてると京本待たせちゃうもんね。ピラピラ衣装…似合わないかもしれないけど、なんとか頑張るか！」

俺は衣装を着て、京本の待つスタジオに向かった。

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