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ayk「美羽ちゃ・・・」
駆寄ろうとした私を母親は制した。静かに2人で美羽ちゃんを見守る。
そのままでは立ち上がれないのか、美羽ちゃんは廊下の端まで這っていく。そしておいてあるソファーに手を掛け、腕の力で立ち上がった。そして、くるりとこちらを向いて、また駆け寄ってきた。
「ママー、たてたよ!!」
母親は腕を広げて美羽ちゃんを抱きしめた。
「美羽はえらいね、すごいじゃない」
母親に褒められて、また嬉しそうに彼女は笑った。
「山森さん、私あのアルバムを見て、この子のこと初めてかわいいって思えたんです。今でも大切に取ってあって、時々見返してるんです」
「あー!あのおしゃしんとったの、おねえさん?」
美羽ちゃんもアルバムを見てくれてるのか、私に問いかける。
ayk「そうよー。美羽ちゃんがこんなにちっちゃいときから知ってるんだから」
あのアルバムが美羽ちゃん家族の思い出の一部になれたことが何よりも嬉しかった。
バイバーイと大きく手を振った美羽ちゃんは、母親と一緒に去っていった。私も手を振って答える。
こういう日があるからNICUの看護師はやめられないんだよなーと、病棟に戻りながら思うのだった。
kwmr side
いらっしゃいませー!
威勢のいい店員に迎えられ、僕と福良は居酒屋へと入った。勤務終わりの更衣室でたまたま一緒になって、飲みに行こうということになった。
大学から今まで一番長く時間をともにしている僕らはこうして時々飲みに行く。Aは今日は夜勤だし、ちょうどいい。
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Arisa(プロフ) - チーズさん» コメントありがとうございます。続編は波乱の展開となってますのでお楽しみに! (2020年7月31日 21時) (レス) id: 791f405f1a (このIDを非表示/違反報告)
Arisa(プロフ) - 山本瑞生さん» 感想ありがとうございます。少しでも皆様の心に残る作品でありたいと書いているのでとても嬉しいです! (2020年7月31日 21時) (レス) id: 791f405f1a (このIDを非表示/違反報告)
Arisa(プロフ) - レイカさん» くっつけることが出来て私も一安心です!続編もよろしくお願いします。 (2020年7月31日 21時) (レス) id: 791f405f1a (このIDを非表示/違反報告)
チーズ(プロフ) - コメント失礼します…!いつも楽しく読ませて頂いています。今回のお話本当に最高でした!これからも楽しみにしてます! (2020年7月29日 2時) (レス) id: ceb60ad09f (このIDを非表示/違反報告)
山本瑞生(プロフ) - もう毎回泣きながら読んでいます!続編楽しみに待ってます! (2020年7月28日 21時) (レス) id: fd4f22733f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Arisa | 作成日時:2020年7月12日 18時