【QK】生まれる！2【kwmr】

Karte6　奇跡 ページ2

中村 茂雄
56歳、男性
＃頭部外傷


sgi side


「須貝先生、お願いします！」


sgi「はいよー」


今日も救命救急には次々に救急車が到着する。目の前にいる患者も今運ばれてきたのだ。


「せんせーい、どうも、ごやっかいになりやすね」


ヘラヘラと笑う男性患者。

・・・酒臭いな。


sgi「おっちゃん、昼間っから酒飲んでんの？」


「おうよ、日本酒とウイスキーをちょっとばっかしだけどよ」


ちょっとでこんなに酔うわけ無いだろうが。思わずため息をこぼしながら、スタッフに情報を聞く。


「酔っ払って、電車のホームから落ちたみたいです。頭を打ってて」


それを聞いて頭を観察すると、大きな傷ができている。


sgi「念の為、MRI撮ろうか。おっちゃん、今から検査すっからね」


こんな困った患者もいるけれど、どんな患者でも全力で救う、それが俺のモットー。体力には自信があるし、俺はヒリヒリするようなこの職場は、働いていて楽しい。

こんな殺伐とした状況を楽しんでいる俺はちょっとおかしいのかもなとも思うけど。

そんな酔っ払い患者は、結局脳に問題はなくて頭を縫うだけで処置は終わった。



sgi「ふー」

座って患者のカルテを書いていると、またも外線から緊急の搬送依頼が入る。今日はいつもより多いな、とさすがの俺も苦笑いを浮かべながら電話にでた。


sgi「白瀬総合病院、救命救急センターの須貝です」


「木口消防です。交通外傷の受け入れ依頼です」


sgi「患者の状況は？」


「患者は20代女性。交差点で信号待ちをしていたところに、車が突っ込んだとのことです。心拍数80、血圧95/52、意識レベル200です。呼吸も不安定です。大きな出血はありませんが、外傷を多数見受けます」
(意識レベル；患者の意識障害の度合いを示すもの。200は呼びかけに反応がなく、痛み刺激で顔をしかめる程度)


sgi「分かりました、受け入れ可能です。運んでください」


受け入れ準備を整えるために、周囲のスタッフに指示を出した。

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