【イナイレ】猛獣の闇 (ページ18)

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17話ページ18

「全国のサッカーファンの皆様、こんばんは。今夜は皆様もお待ちかね、第1回フットボールフロンティアインターナショナルアジア予選、組み合わせ抽選会の模様をお送りします!」

　その声に振り返ると、食堂にあるテレビの前にメンバー全員が座っていた。その姿になんだか自分も参加しなくてはいけないような気がして、雷音寺は1人静かに後ろの方に加わった。

「フットボールフロンティアインターナショナルは全世界を5つのエリアに分けて予選を行い、各エリアの優勝チームがライオコット島に集結。世界一の座を懸けて決勝ラウンドを行う、フットボールフロンティアの世界大会! アジア地区の予選には日本を含め、8か国が参加しています」

　男性アナウンサーが司会を進め、エリアごとに色分けされた世界地図について説明を始める。やがて映像は流れ、エリアから伸びる黄色い線はライオコット島と紹介された島に結ばれた。
　抽選会が始まったのだろう、また映像が切り替わる。最初に登壇したのは韓国代表ファイヤードラゴンの監督だ。

「ファイヤードラゴン、3-A」

　表示されるトーナメント表に、ファイヤードラゴンと文字が入った。そして続々と抽選は行われ、オーストラリア、カタール、サウジアラビアと、トーナメント表は埋まっていく。
　次に登壇したのは日本代表イナズマジャパン監督、久遠。アナウンサーはどこか緊張した面持ちであるが、それとは対照的に久遠は涼しい顔をしていた。

　

「さあ、次は日本代表イナズマジャパンの抽選です。果たして対戦相手はオーストラリアかカタールか……それとも韓国か、サウジアラビアか……!?」

　久遠は1枚の紙を手に取ると流れるように開く。そこに書かれていたのは、1-A。対戦相手はビッグウェイブスだった。韓国代表ファイヤードラゴンと同じく、優勝候補と名高い相手だ。

「いきなり優勝候補か……」

「ああ。だが、対戦相手にとって不足はない」

「よおし! オーストラリア戦に向けて、明日から特訓だ!」

　俄然やる気がみなぎるイナズマジャパン。

　オーストラリア戦まで残り2日――。