【イナイレ】猛獣の闇 (ページ2)

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2話ページ2

「お前達は、日本代表候補の強化選手だ!!」

「日本代表……? 一体何の……」

　響木の言葉に疑問を持った彼らは互いに顔を見合わせる。
　突然の展開に当然だが追いついていけていないらしい。小首を傾げる円堂が響木へそう尋ねた。

「今年から、フットボールフロンティアの世界大会、フットボールフロンティアインターナショナル、通称FFI開催される」

　順序立てて説明していく響木に、だんだんと円堂の顔が喜色に染まっていく。
　少年サッカーの世界一を決める大会で、ここに集まったお前達はその代表候補だ。最後にそう伝えた。茫然とする彼らに流れる沈黙は、その直後円堂の声に途切れる。

「世界……すげぇぜ、皆!! 次は世界だ!!」

　そう叫び右手を突き上げた円堂に、体育館の中はいっきに盛り上がる。当然だ、まさか自分たちが世界に突き進み、まだ見ぬ強い選手たちと戦えるなんて、そんな夢みたいなことが目の前にあるのだから。
　嬉しそうな様子の彼らを前に、響木は落ち着いた声でその続きを口にする。

「いいか、あくまでこの22人は候補だ。この中から16人に絞り込む!」

「……22人?」

　落ち着き払った声に我に返り、皆改めてこの場にいる人数を数える。しかし、どうもおかしい。ここにいるのは22人ではない、23人だ。

　彼らの動揺を目にした響木はふっと口に笑みを浮かべ、彼らの中、そのうちの一人を指さした。その先にいたのは雷音寺だ。

「雷音寺はもう既に日本代表だ」

「ええ!!?」

「こいつは世界的にも有名な選手でな、贔屓目無しに、各国からの出場依頼が来ている。そこで、サッカー協会から特別な許可が下りた。ま、その代わり相当なプレッシャーがかかっているがな」

　代表以外にも、そんなプレッシャーがかかっているとは思わず、少し困り顔をする雷音寺。そんな雷音寺に円堂はきらきらした目ですっげぇな！と両手にガッツポーズを作った。

　響木からその話を聞かされていた雷音寺も、まさかここまで期待されているのかと我ながらどこか呆けてしまう。

「さて、話を戻すがいいな?」

「まず11人ずつ2つのチームに分けます。その2チームにより2日後、日本代表選考試合を行います」

　響木の隣、マネージャーの夏未が説明する。そしてそれに続けてバインダーを手にした秋がチームの編成を発表する。

　思い思いに言葉の丈を吐露する彼らを尻目に、雷音寺は伏し目した。