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第6話 悲嘆 ページ6

『自分、もう疲れたんで寝ますね。』

そう言い放つと学園長は
(まったく。)と言わんばかりの顔でこちらに来る。

その瞬間_

ふわっとした感触が頭を撫でる。

「貴方はよく頑張ってますよ。
えらいえらい。」

暖かい。

手袋越しに感じる温もりは今までにない感情を産む。

多幸感と呼ぶのだろうか。
すごく幸せだ。

自然と涙がこぼれる。

とっくに限界を超えていた。

元の世界では大切な人をたくさん失い、異世界に飛ばされたかと思えば
友人のオーバーブロットや入院。

もう散々だ。

「こんなにも抱え込んでいたのにも関わらず学園長のこの私が気づけないなんて、、不甲斐ない。」

『う、うぅ、元の世界に帰りたいけどこの世界を失うのも怖くて
色んな感情に押しつぶされて
気持ちの整理もつかないまま毎日すごしてきたけど!グリムもいないし誰も話を聞いてくれる人もいないし、う、うぅ』

そんなことを言いながら泣きつく私を優しく抱き留めてくれる。
自分でもびっくりするぐらい早口で喋ってしまった。

「たくさん泣いて大丈夫ですよ。ほら、ゆっくり息を吸って、、吐いて。」

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作者名:はな | 作成日時:2020年12月1日 1時

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