花が四輪 ページ5
よろしくお願いします。と頭を下げる村人たちに手を振り、Aの屋敷に足を踏み入れた。
無「・・・はなれは、藤が咲き乱れていると言っていたな。」
藤は普通の鬼には害だろう。だがそれも鬼の主祖には無意味。
無「ここか」
無惨が腕を振るえば、美しい藤はあっけなく散ったのだ。
無「無駄なことを。・・・どうせ鬼殺隊の入れ知恵だろう」
鬼でないとはいえ、いつ鬼になるか分からないための予防に植えたのか、青い彼岸花を私が探していることを知った上の妨害か。
無(・・・大方前者だろうな)
人の気配がしないを廊下を進む。すると、
突然、舞った青い花びらが視界に飛び込んできた。
無「ーーー!」
出所を探すと、そこにはとても美しい女がいた。
先が青に染まっている、長い艶やかな黒髪。
私と変わらないほどに青白いが、それがまた儚さを引き立てている。
どんな宝石よりも美しい、海のような、いつか見た青空のような、青い右目。
そして、異物でしかないのに全く醜くない、顔左半分を侵食して、それはそれは綺麗に咲いている”青い彼岸花”。
それは一つの美術品のように、完全な、完璧な美だった。
ーーー欲しい。
感情が一気に溢れ出す。
青い彼岸花をか。それともこの女をか。
いいや、全てだ。全て欲しい。
何故か。そんなことはどうでもいい。
兎に角、欲しいんだ。
私の名を紡いで欲しい。笑顔を見せてほしい。触れさして欲しい。私のことを好きになって、愛を語り、私だけを見て欲しい。抱きしめて、接吻して、一つになって、私と永遠を歩んで欲しい。
・・・あぁ、そんな薄汚い着物はAは似合わない。クズ両親も、汚い家も、やかましい村人も。
全て一番を与えて、愛してやろう。
・・・しまった、少し気が早い。まだ私はAに声すらかけていないんだ。不審者と思われてしまう。
それはまずい。地道に、しっかり愛してやらなければ。
そうだな、まずはここから連れ出さなければ。
無「ーーーお嬢さん。今夜は月がきれいですね。
・・・一つ、
私に誘拐されてみませんか?」
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元気なオタク(プロフ) - みーたん(猫好き)さん» コメントありがとうございます!泣いていただけたなんて・・・Σ(・□・;)エンド分けたかいがありました。神だなんてまだまだですが、これからも無惨様も布教していきたいと思います! (2021年7月13日 21時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(猫好き) - 泣きました!最高でしたあっ!無惨様!エンドが分かれるのも好きです!控えめに言って、神! (2021年7月13日 20時) (レス) id: c19e5ef9b3 (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - Mano-tenさん» 本当ですか!!もうギャグ脳なので、感動もの?書くのすごい難しかったんですけど、そう言ってくださると嬉しいです。青い彼岸花だけじゃなく、花咲く少女も読んでいただきありがとうございました! (2021年5月4日 20時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
Mano-ten(プロフ) - あの…感動しました!!もう、まじで私の涙腺崩壊です!!!こんな神作品ありがとうございます!!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: b7da3f4a6d (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - みとんさん» 無惨様推しの人に会えるのも少ないので嬉しいです!無惨様救いたいですよね・・・私が書いてる青い彼岸花シリーズでも、鬼を救済する予定なので・・・是非見てってください(( 宣伝失礼いたしました!無視してください!コメントありがとうございました! (2021年4月4日 6時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:元気なオタク | 作成日時:2021年2月25日 17時