花が二十九輪 ページ30
『う・・・あれ・・・え?』
目を開けると、そこは懐かしい無限城ではなかった。
あったのは、瓦礫の山。
『おいしょ・・・っ、と』
全身を使って、何とか瓦礫を押し上げると、知らない市街地が見えた。
(はぁ、何とか抜け出せた・・・ーーーって、うん?この瓦礫って・・・)
知ってる襖。知ってる木目。知ってる壁。知ってる本棚。知ってる匂いーーー
『無限、城・・・?』
無限城が崩壊している?どうして?無限城は鳴女さんがいる限り、壊れ・・・
『鳴女さん?鳴女さん、鳴女さん!お願い、出てきて!生きてるでしょう!!ほ、他の皆も、あの人の噓で、生きてるんでしょ!お願い!お願い!』
叫んでも、叫んでも、返事はない。
『無惨さん・・・無惨さん!』
貴方だけでも、生きていて欲しい。
走り出そうと足を踏み出して、転ぶ。
『痛っ・・・』
足が弱弱しい葉っぱになっているのだ。ずっと囚われていて気付かなかったが、こんな足では走るどころか、歩くことすら出来ない。
『でも・・・行かないと。』
腕を動かし、みっともなく這う。
プライドなんてものはない。
何を捨てても、無惨さんのところに行くという覚悟なのだから。
『間に合え・・・』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そこには、沢山の人が死んでいた。
そこには、沢山の人が倒れていた。
そこには、管のようなものを体から伸ばし、体の大半が大量の口がついた赤黒いものに覆われた、白髪の異形がいた。
後ろ姿だけでも、姿が違っても分かる。これはーーー
『無惨さんッ!』
無「・・・A?」
夜明けまで、あと二十五分。
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元気なオタク(プロフ) - みーたん(猫好き)さん» コメントありがとうございます!泣いていただけたなんて・・・Σ(・□・;)エンド分けたかいがありました。神だなんてまだまだですが、これからも無惨様も布教していきたいと思います! (2021年7月13日 21時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(猫好き) - 泣きました!最高でしたあっ!無惨様!エンドが分かれるのも好きです!控えめに言って、神! (2021年7月13日 20時) (レス) id: c19e5ef9b3 (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - Mano-tenさん» 本当ですか!!もうギャグ脳なので、感動もの?書くのすごい難しかったんですけど、そう言ってくださると嬉しいです。青い彼岸花だけじゃなく、花咲く少女も読んでいただきありがとうございました! (2021年5月4日 20時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
Mano-ten(プロフ) - あの…感動しました!!もう、まじで私の涙腺崩壊です!!!こんな神作品ありがとうございます!!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: b7da3f4a6d (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - みとんさん» 無惨様推しの人に会えるのも少ないので嬉しいです!無惨様救いたいですよね・・・私が書いてる青い彼岸花シリーズでも、鬼を救済する予定なので・・・是非見てってください(( 宣伝失礼いたしました!無視してください!コメントありがとうございました! (2021年4月4日 6時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:元気なオタク | 作成日時:2021年2月25日 17時