花が二十二輪 ページ23
『・・・出かけようかしら』
そう不意に呟いた。
ーーー疲れていた。
生きることに。
私は早く花になって、無惨さんに食われたい。
辛くない。寧ろ幸せ。
愛している人の、幸せになれて。その鬼と共に生きられるなんて。
だから、私を早く振って欲しい。
なのに、どうして、そうしてくれないんだろう。
これが、とっても辛い。
だって、お願いしたのに、そうしてくれないってことは。
ーーー私に死んでほしくないのかもって。
そう、勘違いしてしまいそうだから。
何処かに行って、いっその事殺されて。
この辛さをなくしてほしい。
それにきっと私が死んだら、食べて永遠に一緒にいてくれる。
・・・さぁ、出かけよう。
そして私を殺してくれる誰かと、出会うことが出来たのなら。
どうぞ、私を殺して。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
し「今日の鬼は随分弱かったですね〜柱が二人行くほどの鬼だったのでしょうか?」
冨「そんなだろう(そんなの関係ないだろう。俺たちはお館様の名に従うだけだ。)」
し「何がですか?もう、ちゃんと話してください。そんなんだから嫌われるんですよ」
冨「・・・俺は嫌われていない」
し「もう、そんなこと言って・・・!この匂い、かなり強い鬼の匂いですね。十二鬼月、いや、それ以上の・・・!?まさか、鬼舞辻無惨!?」
冨「・・・行くぞ」
し「すみませーん、そこのお嬢さん。少しお話を伺ってよろしいでしょうか?」
『・・・・・・構いませんが
何の御用でしょうか?』
し&冨「!」
それは、とても綺麗な女性だった。
右目以外の全身を包帯で包んでいながらも、唯一見える青い髪と瞳に魅力される。
綺麗すぎて怖いぐらいに、まるで”人じゃない”ような妖しさと、色気がある。
『あ・・・その刀、もしかして鬼殺隊ですか?』
し「!えぇ・・・鬼殺隊を知っているのですか?」
『はい!元”人間”を愉しんで殺す異常者の集まりだと聞きましたが?』
冨「・・・だな(随分な言いようだな)」
し「!?何肯定してるんですか、冨岡さん!毒打ちますよ!?」
『ふふ、面白い人達・・・そんな貴方達にお願いが。
・・・私を殺してくれませんか?』
包帯がほどけて見えた、彼女の右目の”青い彼岸花”は、今まで見た花の中で、一番綺麗だな。と場違いなことを思った。
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元気なオタク(プロフ) - みーたん(猫好き)さん» コメントありがとうございます!泣いていただけたなんて・・・Σ(・□・;)エンド分けたかいがありました。神だなんてまだまだですが、これからも無惨様も布教していきたいと思います! (2021年7月13日 21時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
みーたん(猫好き) - 泣きました!最高でしたあっ!無惨様!エンドが分かれるのも好きです!控えめに言って、神! (2021年7月13日 20時) (レス) id: c19e5ef9b3 (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - Mano-tenさん» 本当ですか!!もうギャグ脳なので、感動もの?書くのすごい難しかったんですけど、そう言ってくださると嬉しいです。青い彼岸花だけじゃなく、花咲く少女も読んでいただきありがとうございました! (2021年5月4日 20時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
Mano-ten(プロフ) - あの…感動しました!!もう、まじで私の涙腺崩壊です!!!こんな神作品ありがとうございます!!! (2021年5月4日 20時) (レス) id: b7da3f4a6d (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - みとんさん» 無惨様推しの人に会えるのも少ないので嬉しいです!無惨様救いたいですよね・・・私が書いてる青い彼岸花シリーズでも、鬼を救済する予定なので・・・是非見てってください(( 宣伝失礼いたしました!無視してください!コメントありがとうございました! (2021年4月4日 6時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:元気なオタク | 作成日時:2021年2月25日 17時