青い彼岸花？んなもん食った（（

月は綺麗ですよ ページ35

黒「まさか…その髪は縁壱ではなく…私の真似…だったのか？」

『そうですよ。私、黒死牟さんとお揃いにしたかったのに、縁壱さんと勘違いされるとは思いませんでした。服まで変えないと気づいてくれないなんて、酷い鬼ですね』


苦笑交じりに言われ、すまないと素直に謝る。


黒「…それほど、嫉妬していたのだ。…恐れていたのだ。Aが縁壱に取られることを…これほど、私に懐いてくれた奴は…守りたいと思ったのは…Aしかいないからな…」

『嬉しいこと言ってくれますね・・・安心してくださいよ。私は黒死牟さんが大事ですから！日の呼吸とか縁壱さんにも興味ありますけど・・・私は黒死牟さんと一緒に月の呼吸を極めるからいいんです！日の呼吸の方が向いていたとしても、努力して月の呼吸の方が上手くなればいいんですよね！』

黒「…何故、日の呼吸より月の呼吸を極めようとする？太陽と月だったら、太陽を求めるのが…普通だろう…才能があるかもしれないなら…尚更だ…」

『太陽も好きだけど、月も好きだから。・・・それじゃあ、ダメですか？』

黒「ダメとかではなく…」

『太陽って、明るいですよね。でも、鬼を焼き殺すように、時には脅威にもなる・・・

人を照らし続ける太陽・・・私には無理です。


ーーー明るすぎる。』


たまには日陰で休憩したいですし。と、何処かを見て言ったAの言葉が頭に響く。


”明るすぎる”


『月は強い日差しもないのに、夜を優しく照らしてくれますよね？形も変わったり雲で隠れたりするのも、またいいところじゃないですか？・・・どちらもいいところがあるのに、月は太陽よりもよくないって決めつけるの、よくないですよ？』


月の呼吸を使う鬼が・・・と愚痴られる。


黒「決めつけているのではない…事実なのだ…月は太陽がないと輝けない…」

『逆ですよ』

黒「逆…だと？」

『太陽があるから、月は輝けるんです。・・・黒死牟さんのように』

黒「！」

『ここまで強くなったのは、何が合っても最強になると思えたのは誰のおかげですか？鬼になれたのは誰のせいですか？・・・今の黒死牟がいるのは、私が黒死牟さんに会えたのは・・・縁壱さんのおかげです。互いを引きあっているんですよ。太陽と月は。黒死牟さんが太陽に焦がれているように、縁壱さんも月を見ていたと思います。』

黒「・・・！」


『私は頭が良くないので、縁壱さんへの複雑な想いは分かりません。でも、これだけは言えます。』









『月は、綺麗ですよ』

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