××日目〜獪岳〜 １ ページ32
「ーーー人殺し」
違う。俺は、俺は、そんなつもりはなかった。
殺すなんて、そんなこと、したくなかった。死なせたくなかった。
「お前が殺したくせに、何言ってるんだよ」
違う、違う。”知らなかった”。あんなことが、起きるなんて。
「鬼を寺に入れたんだ。何が起こるかなんて、分かってたはずだろ？」
・・・確かに、あれはヤバい生き物だって分かってた。怖くて、恐ろしくて。鬼と名乗った通り、きっと人を殺せるものだろうって。
「なら、やっぱりお前がーーー」
そう思われても仕方ねぇ。でも、俺は、信じてた。
「何を？」
・・・あいつらが、死なないということを。そして、岩柱様。いや、悲鳴嶼さんと皆でしたーーー ”絶対、お前たちは守る。心配するな。” っていう、約束だ。
「まさか・・・そんなくだらない偽善事で、俺たちを殺したのか？」
・・・そうだ。その通りだ。あぁ、そうだ。俺は、”夢”を見ていたんだ。
悲鳴嶼さんが、鬼を全員倒してくれて。
金を盗んだのは、飢餓寸前だった自分達の生活のためだったって、気づいてくれて。
”君が死ななくてよかった”って。”自分達のためにありがとう”って言ってくれる。
幻想だけの、都合のいいように考えただけの。”夢”。
「そんな夢が、こんなことを起こしたんだぞ？」
知っている。だから、俺はお前らと向き合い続けるーーー本当の、お前らとも、な。
「・・・弱虫の、小物なお前にそんなことが出来るわけない。」
俺だけなら、そうだったな。実際、俺は俺は自分をいい奴なんて思わねぇよ。だから俺は、月柱様を信じる。俺は俺は信じられないけれど、あの人なら信じられる。そう、初めて思えたんだ。
俺をあそこまで心配してくれる、優しさしかない瞳の、月柱様を。
そして、その人が言うお前らを。昔過ごしたお前らにあった優しさを、信じる。・・・信じるなんて、したことなかったがな。
「お前に向ける優しさなんて、もうねぇよ。」
それでもいい。いい結果でも悪い結果でも、けりをつけないと進まねぇ。だから・・・もう行く。
何か言いかけたあいつらを振り切り、視界が歪み、現実の世界に戻っていく。
獪「・・・・・・行くか」
立ち上がる。前に進むために。彼らに謝罪するために。
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尊い - すごくいい尊死してもうた (2022年3月29日 17時) (
レス) @page4 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
かなた - この世界線の獪岳好き！ (2022年2月27日 5時) (レス) @page35 id: 72078a5a44 (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - 朔夜さん» まだですが、そろそろですよ！楽しみにしておいてくださいね(o^−^o) (2021年6月14日 20時) (レス) id: 365a77efd6 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - フラグ立たなかったですね... (2021年6月14日 18時) (レス) id: ff3a848d7c (このIDを非表示/違反報告)
元気なオタク(プロフ) - れもんさん» 沼鬼は本当に・・・ｗ 何ていうか損な役回りさせましたねｗもはや生贄（（ 死なない寸前で痛めつけられて我慢している沼鬼は・・・きっと長男！！と思って・・・ｗ 獪岳も幸せにさせて満足です！こちらこそ長文失礼しました！ (2021年6月13日 18時) (レス) id: ed77530e67 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：元気なオタク | 作成日時：2021年4月22日 7時
