102period ページ10
大我と青峰が1on1をするという事件があった次の日。あたしはテツの家に来ていた。
黒子「Aさん、なにか話したいことがあるのでは?」
『....なんでわかんの。』
黒子「なんとなくです。」
我の幼馴染が恐ろしい(震え声)
あたしが何も言わずいつもどおりに過ごしているつもりがどうやらテツにとってはどこかソワソワした感じに見えていたらしい。話してみてください、とあたしの前に座って目を合わせてきたテツにあたしは以前征に言われたことを話した。
『あたしの、目の話なんだけど。』
黒子「赤司君に言われたんですか?」
『当たり。あたしの目はリコ先輩と似たような能力があるらしい。』
びっくりだけど、と真剣な空気を和ますように笑った。
黒子「どんな事ができるんですか?」
『大まかに言うと、選手それぞれに完璧にあったテーピングと、その怪我の具合がわかる。』
そう言うとふむ、と考えるような仕草をして、それだと辻褄が合いますね。と言った。いつも羨ましいと思っていた能力があたしにもできたというのにあたしはなぜか喜べないでいた。むしろそれより...
『怖いの。目の色が変わるとか、数値として見えることとか、普通の人間からかけ離れた気がして。』
黒子「...。」
体操座りをして、青色のクッションをギュッと抱え込む。こんな弱音、自分らしくないとは分かってる。多分こういう弱さを見せられるのはこれまでずっと傍に居てくれたテツだからこそだと思う。あたしの言葉を何も言わずずっと待っていてくれる。その感じがあたしの本音を引き出してくれる感覚。
黒子「確かに気味悪がる人もいると思います。」
『ヴッ』
黒子「でも、それはAさんの外側しか見ていないからです。」
『!!』
ふわりと頭の上に温もりを感じた。テツを見るとあたしの頭の上に手を伸ばしていて、撫でられていることが分かった。
黒子「僕は、僕達は違います。たとえ何があろうとAさんはAさんです。僕達が裏切るような真似はしないこと、Aさんもわかっているでしょう?」
「それに、皆さんAさんのこと大好きなんですよ?まぁ僕が一番好きなんですけど。」
あぁ、よかった。テツに弱音を吐いてよかった。
皆があたしを好きで居てくれることも、裏切らないことも分かってた。けどそれがもし自分の思い込みだったらって不安だった。だけどそんな不安も、一瞬でどこかへ行ってしまった。...あたしは恵まれてるな。
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S(プロフ) - 最近黒子のバスケ見初めたんですけど、この小説めっちゃ好きで!本編と一緒に見てます!続き待ってます!気が向いたら更新してください🙇🏻♀️🙇🏻♀️ (9月14日 17時) (レス) @page42 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 零さん» コメント、ありがとうございます!そうですね、もちろんこの作品もゆっくりですけど更新していく予定です。(心の中では)ですが私自身これから受験に入っていくので、もう少しだけ、待っていてくれるととても嬉しいです。これからもよろしくお願いします! (2023年3月22日 16時) (レス) id: d60abc6b35 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 他の作品の更新も嬉しいですが、この作品完結までやって欲しいです!とりあえず、赤司が好きなのでウィンターカップまでやって欲しいです😁更新楽しみにしてます! (2023年3月22日 15時) (レス) @page42 id: 3b18e7e712 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - アオバさん» コメントありがとうございます!分かりますいいですよね黒バス!今ちょっと迷走中なのでもう少し待っていていただけると幸いです。いつも読んで頂き、ありがとうございます! (2022年10月6日 7時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
アオバ(プロフ) - 黒子のバスケ大好きなので、めっちゃ楽しいです!!無理をしないようにしてください…!更新待ってます! (2022年10月6日 1時) (レス) @page42 id: 106335cad0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優雨-ゆうあめ- | 作成日時:2022年6月2日 20時