128period ページ37
あたし達マネージャーの仕事は、毎日ドリンクを作ること、給水時にタオルとドリンクを渡すこと、タイマーで測ること、ビブスとタオルを洗うこと、テーピングをすること、何が合っても皆を信じること、いつでも皆の支えであること。そして最後に...どんな試合でもスコアシートに記録を残すこと。
相手に何本も何本も入れられて、その度に相手のチームの得点のところに斜線を引いて背番号を書く。自分のチームの得点でなくても、その記録をあたし達は残さなければならない。離れていく点差が相手のシュートが入る度に目に入る。この悔しさは、マネージャーであるあたし達しか分からない。
だって知ってるんだ。次は勝つと泣いている姿も。知ってるんだ。皆で血反吐吐くようなきつい練習をこなしてきた姿を。誰よりも知っているからこそ、今ここで何もできない自分が悔しい。
だんだん開いていく点差は、もう40点に広がった。なんど大輝の背番号をこの記録に書いただろう。もう書きたくないと、この数分で何度も思った。だけど書き続けなければいけない。この記録が、次戦うときに小さくても大切な情報になるから。
ミスディレクションも切れ、皆の体力ももう底に着きそうだ。大我は痛めた足を庇って、逆に右足が使い物にならなくなってしまった。多分この後の決勝リーグ残り2日も出られないだろう。もう負けが殆ど決まっていた。
けれどあたしには聞こえている。「諦めるのは嫌だ」と叫ぶテツの声が。隣から感じている。悔しいと、まだ諦めたくないという大我の覇気を。
『ディフェンス一本！！』
大声で、叫んだ。バッとベンチを見れば、あたしの声に驚いている光樹達の姿があった。
『最後まで！声だそう！！』
小金井「そーそー！中の選手が諦めてねーんだぞ。黙ってみててどーすんだ。」
あたしの声に続いて慎二先輩が後ろから光樹と寛の方に腕を回し真剣な表情でそう言った。その言葉にハッとして、ベンチも声が出始める。声を出し続けろ、最後まで！今は静かになるときじゃない。泣くときでもない。タイマーの数字が0になるまで、試合は終わっていないのだから。
青峰「1つだけ、認めてやるわ。諦めの悪さだけは。」
誰ひとり諦めず、全員が最後まで戦った。それでも点差は開き続けた。誰一人として、涙は出なかった。
その日、私達はそれほど圧倒的に、負けた。
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S(プロフ) - 最近黒子のバスケ見初めたんですけど、この小説めっちゃ好きで！本編と一緒に見てます！続き待ってます！気が向いたら更新してください🙇🏻♀️🙇🏻♀️ (9月14日 17時) (
レス) @page42 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - 零さん» コメント、ありがとうございます！そうですね、もちろんこの作品もゆっくりですけど更新していく予定です。(心の中では)ですが私自身これから受験に入っていくので、もう少しだけ、待っていてくれるととても嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2023年3月22日 16時) (レス) id: d60abc6b35 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 他の作品の更新も嬉しいですが、この作品完結までやって欲しいです！とりあえず、赤司が好きなのでウィンターカップまでやって欲しいです😁更新楽しみにしてます！ (2023年3月22日 15時) (レス) @page42 id: 3b18e7e712 (このIDを非表示/違反報告)
優雨-ゆうあめ-(プロフ) - アオバさん» コメントありがとうございます！分かりますいいですよね黒バス！今ちょっと迷走中なのでもう少し待っていていただけると幸いです。いつも読んで頂き、ありがとうございます！ (2022年10月6日 7時) (レス) id: 12d19b95d0 (このIDを非表示/違反報告)
アオバ(プロフ) - 黒子のバスケ大好きなので、めっちゃ楽しいです！！無理をしないようにしてください…！更新待ってます！ (2022年10月6日 1時) (レス) @page42 id: 106335cad0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：優雨-ゆうあめ- | 作成日時：2022年6月2日 20時
