24.会いに行く ページ24
花に確認したところ、今日は那田蜘蛛山から帰って来た日の夕方だった。
半日を無駄にしてしまったけれど、日付が変わっていなかったことに安心する。
特に任務も入っていなかったので日記を書く。
まさか昨日は姉さんも那田蜘蛛山に来てただなんて！
それなのに、私ってば殆んど山での記憶がないのだ。
琴音姉さんの日記を読み終えて直ぐに、隣の部屋に行ってみたけれど、いつも通りそこに姉さんの姿はない。
もう次の任務先に向かったのか…
やっぱり甲にもなると柱並の忙しさなんだ、と痛感する。
「あーぁ、会いたかったな………」
ぽつりと寂しさを溢しながら、自分の近況を書き進めていく。
それにしても、今日の琴音姉さんの内容には驚いた。
鬼を連れた隊士がいて、しかもその鬼は人を喰ったことがないこと。
一番驚いたのは、その鬼がもしも人を喰った場合には、その隊士と鱗滝さんそして、義勇の命がかけられているということ。
「義勇………」
ぽつりと呟きながら、彼を脳裏に浮かべる。
そんな大事なこと、どうして私たちに黙っていたんだろう？
鱗滝さんのところで同じ時期に修行を積み、最終選別に受かった同期なのに。
教えてくれない辺り、義勇にとって私ってその程度なのかな？
それとも、同期として頼りない？
まぁ、選別のあと暫くして隠になった私じゃ柱である義勇には到底及ばないし、それもそうか…
そんな風に考えて悲しくなる頭を振り払う。
にしても、鬼と鬼を連れた隊士は蝶屋敷にいるんだよね？
うーん、ちょっと怖い…
もう一線を退いてから随分経つ。
人を喰わないらしいけれど、本当に大丈夫かな？
いざとい時は呼吸を使って逃げるしかない。
あ！そう言えば蟲柱様の話って何だったんだろう？
記憶がないと言うことは、私はあのまま意識を飛ばしてしまったということ。
ご迷惑をおかけしたに違いない。
お詫びも兼ねて会いに行かなければと思い立って部屋を出る。
蟲柱様を探して廊下を歩くとアオイちゃんを見つけた。
蟲柱様の居場所を聞くと怪我をした隊員が多いため、怪我の処置や経過の観察で病室を回っているそうだ。
「蟲柱様」
病室の並ぶ通りの廊下へ出ると、ちょうど一室から彼女が出てきた。
「Aさん」
「蟲柱様、今朝はご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」
ペコリと頭を下げると「いいんですよ」と返ってくる。
「あの、それでお話とは何だったのでしょうか？」
聞くと彼女はクスリと笑った。
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます！ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (
レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー｀*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月見 | 作成日時：2021年9月12日 12時
