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22.証明 ページ22

そのあとの話は衝撃の連続だった。

炭治郎くんが鬼舞辻無惨と遭遇していること。
無惨は炭治郎に向けて追手を放っていること。

お館様は「恐らく禰豆子にも鬼舞辻にとって予想外の何かが起きているのだと思う」と仰っていた。


それでも実弥は納得がいかないようだ。

「分かりません、お館様。人間なら生かしておいてもいいが鬼は駄目です。承知出来ない」

そう言って刀で自分の腕に傷を付けた。

「証明しますよ。俺が鬼という物の醜さを!!」

叫んで実弥が禰豆子ちゃんの入っている木箱に自らの血を垂らす。


先ほど実弥が木箱に開けた穴の真上にボタボタと落ちていく真っ赤な血。

実弥は稀血だ。
それも少々特別な稀血。

鬼にとって普通の人の血よりも特別なご馳走。

流石に鬼を酔わす彼の血では、人を襲わない方が難しいだろう。


実弥は残酷なことをするわね。

炭治郎くんは、きっと何がなんでも彼女を救いたい一心で鬼殺隊に入ったのだ。


「不死川、日向では駄目だ。日陰にいかねば鬼は出てこない」

小芭内のその一言で、実弥がお館様に一言断って日陰である屋敷の中に飛び込んだ。

実弥によって乱暴に開けられた木箱から、女の子が出てくる。


可哀想に…と思いながら、私はただその光景を見つめる。

実弥によって刀で傷つけられ、二年もの間、人を襲っていない彼女では稀血の誘惑には叶わない。

現に、実弥の腕からボタボタと溢れてくる血を息を乱しながら見開いた目でじっと見ている。


炭治郎くんが小芭内に押さえつけられた体で必死にもがいて、拘束された縄を千切った。

義勇が小芭内の腕を掴んだ助けもあって、彼は庭から縁側に駆け寄って見守る。


きっとこれが兄妹にとって最後の時間だ。

そう思って、何も出来ない私はただ眺める。


けれど、実弥の稀血を前にして、鬼の女の子である禰豆子ちゃんはそっぽを向いた。


あり得ないことが起きた。

私は勿論のこと、柱の面々も驚きで固まっている。

「どうしたのかな?」と尋ねたお館様にお嬢様か見たままを報告する。


「ではこれで、禰豆子が人を襲わないことの証明が出来たね」


彼ら兄妹は不可能と思われていた困難を乗り越えた。


「俺は…俺と禰豆子は鬼舞辻無惨を倒します!俺と禰豆子が必ず!悲しみの連鎖を断ち切る刃を振るう!!」

力強く宣言をした炭治郎くんは、しのぶちゃんの提案により隠の手で蝶屋敷へと連れられれた。


「では、柱合会議を始めようか」


お館様の一言で会議が始まった。

23.妹の為→←21.兄弟弟子



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時

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