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15.気が付くと ページ15

ドッと体に衝撃が走る。

けれど、それほど痛くはない。


「…?」

ぎゅっと瞑っていた目を開けるのが怖い。

恐る恐る開くと、じっと覗き込む義勇の顔が見えた。

驚いて「へっ!?」と声をあげる。


「立てそうか?」

「…………ねぇ、普通そこは先に“大丈夫か?”でしょ??」

「………。大丈夫か」

「うん。ありがとう」

言い直した義勇にお礼を言うと、スッと地面に降ろしてくれた。

どうやら落ちてきた私を横抱きで受け止めてくれていたらしい。


「A、怪我してないなら手伝ってくれ」


後藤さんが、手を動かしながら声を掛けてくる。


その時、漸くバタバタと動き回る同僚たち気が付いた私は「はいっ!」と返事をして自らの仕事に取りかかる。


「Aさん」

少しすると蟲柱様が私を呼ぶ声がした。

振り返るといつものにこやかな笑顔で私を見ている。


「お話があるのですが、少し宜しいですか?」

蟲柱様はいつ見ても美しい。
それに、とてもお世話になっている彼女の頼みを私は断る理由がなかった。

「はい、蟲柱様。手を動かしながらでも良ければ、構いませんよ」

だから、ニコッと笑い返した。


「そうですか。では、少々失礼しますね」



そう言って笑った彼女の笑顔から後の事は、よく覚えていない。

気が付くと私は蝶屋敷にある自室へと帰っていた。


「う、ううーん………」

首の後ろが何だか痛い。

触れると張り薬がしてあった。


むくりと起き上がれば、部屋には既に西日が差している。


「………。」

確か、私は夕方から夜に那田蜘蛛山へ任務で出掛けて、気が付いたら木の上で朝を迎えていて………


今度は気が付いたら自室で夕方を迎えていた………と。


「また、やっちゃったぁぁぁぁぁ…………」


そもそも今日は今朝と同じ日付だろうか…


以前、気が付いたら丸二日経っていたことがある。

たまたま任務がなかったから良かったものの、今は何日だろう?

そんな心配をしながら、起き上がると机の上に見慣れた書物が置いてあるのが目に入った。


姉さんだ…!

姉さんが帰ってきてたんだ!!


私は、飛び付くようにその書物の最新のページを開いた。



Aへ

昨日花に頼んで届けてもらった文はもう読んでくれた?
貴女の番の前に私が書くのはどうかと思ったけれど、折角帰ってきたから書きます。


そこまで読んで、そう言えばそのまま任務へ向かったから袖にしまったままだと思い出す。

それでも私は構わず読み続けた。

16.思惑→←14.木の上



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
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月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時

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