検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:13,596 hit

13.可愛い女の子 ページ13

動けない善逸はされるがまま、白い包帯に巻かれて大きな木に背中を預けていた。


「ぐるぐる巻きにされた………」

治療済みの札を貼られて後は放置されている。

特に何も出来ないので、辺りを観察する。

そこには顔を布で覆って隠している人たちが沢山いた。


何だコイツら。
なんかすごいテキパキ後始末してんだけど。

ふとその中に、彼らとは違う格好の女の子の姿を見つける。

彼らに指示を出しているその子には見覚えがあった。


この子最終選別にいた子じゃないか?


俺たちをぐるぐる巻きにした女の人と似た髪飾りしてる。

ボーッと眺めていると徐々に明るくなってきた空から陽が射し始めた。


朝だ。

そう思って太陽の方に目を向けると何故か木の上に人の姿がある。

よく見ると女の子だ。
女の子が木の上で器用に眠っている。


何で?

あの子あんなとこで何してんの?
隊服着てるみたいだけど…鬼殺隊の人?

そうやってまじまじと見ていると気が付く。


白い肌に整った顔立ち。

美しい長い髪が一束流れているその姿はまさに………


可愛い。


ぽっ。と頬っぺたが熱くなる感覚に動けない俺は「いやいや!」と心の中で首を振って葛藤する。


俺には禰豆子ちゃんがいるんだ!

そう言い聞かせて、もう一度木の上の彼女を見る。

朝焼けの柔らかな光が彼女を照らして一層美しく見えた。


………………やっぱり可愛い。

デレッと緩む顔を必死で押さえようとしていると、彼女が目を覚ました。


うん。やっぱり可愛い!

そんな事を考えていると彼女が叫びだす。


「きゃああああああ!!いぃゃあああああ!!!な、ななななんでぇぇぇっ!?」


あぁ、あんなに取り乱しちゃって可哀想に。
ぐるぐる巻きにされてなければ飛んで行ってあげるのにな………ぐふふっ。


めちゃくちゃ取り乱している姿すら、今の善逸には可愛い女の子としか映っていなかった。

14.木の上→←12.貸し



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (30 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
77人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 不死川実弥   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

月見(プロフ) - おしゅらさん» ありがとうございます!ゆっくりとマイペースで更新頑張りますね(*^^*) (2021年10月13日 21時) (レス) id: 3e917b4f85 (このIDを非表示/違反報告)
おしゅら - ゆっくりで構いませんよ(*´ー`*)気長に待っていますので月見さんのペースで更新なさってください(^^) (2021年10月13日 18時) (レス) id: 2609acdfa8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月見 | 作成日時:2021年9月12日 12時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。