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「ありがとうございます、またよろしくお願いします。」
『こちらこそ助かりました、またよろしくお願いしますね!』
ドア前で頭を下げてから、部屋を出る。
ふう、とため息ついて、上を見上げる。
緊張した、
元々私が来るわけではなかったからなのか、
向こうは3人くらいスタッフと、塚本さん、
みんなAAAのスタッフばかりだったけど、私にも意見を求めてくるから、緊張はした。
でも、楽しかった。
輝くみんなを彩れる一員になれた気がして、
よし、とバッグを持ち直すと
廊下を歩く1人の影を見つける、
「秀太さん!」
秀「よ!よかった、帰る前で。」
昨日の今日で会えるのは少し嬉しくて、
少しだけ胸が高鳴って、慌てて駆け寄る。
( 高鳴って…、? )
ふと、自分の中で違う気持ちに気づく。
そんなわけ、ない、
と、首を振る。
秀「今日悪かったな、朝早くから。」
「いや、私も変な時間に起きちゃったんで、」
秀「あんな時間に?あー…だからか、」
顔を覗き込むように私を見つめてきた。
その白くて綺麗な指で、目の下を触る、
秀「寝れてなさそうな感じやったんや、」
「っ、…飲みすぎちゃったみたいで、」
秀「そんな飲んでたっけ?」
「わりと?」
秀「…お前さ、嘘つくの下手だよね。うちの理央よりわかりやすいわ、」
「え、」
秀太さんは、顔をしかめた。
じっと見つめられて、思わず目線をそらすと
顔が近づいてくるのがわかって、
目の下を触っていた指は、横髪を耳にかけた。
秀「なぁ、」
「はい、…」
秀「お前、これどーしたの、」
「え?」
する、と耳の下あたりを撫でると
ピリッとした痛みが走る、
思い返すのは昨日の出来事、
玄関に押し付けられた時、
その時は気づかなかったんだろう、
背中の痛みはあったけど、
その傷には気づかなくて、
確か彼は片手に車の鍵を持っていた、
多分それがかすめたんだろう。
「…昨日、」
秀「俺らと別れた後?」
「多分、」
秀「こんなところ自分で怪我するか?」
「ぶつかって」
秀「…、痛くねーの?」
「気づかなかったくらいなんで、全然。」
秀「跡残るぞこれ、」
再びその傷をなぞると、
やっぱり痛む、
でも、私は今は、
秀太さんのその表情に、心が痛んで、
秀太さんの肩を押した。
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rio(プロフ) - あゆにし♪さん» コメントありがとうございます。長編の女の子のことでしょうか?千晃さんとは別の方です、申し訳ございませんが、こちらは別の長編の複線ですのでそちらに出てくる主人公も出てきます。その方のお名前の設定もしていただけるとわかりやすいと思います。 (2018年1月17日 15時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
くま - 丁寧な返信ありがとうございます!受験が迫っていてこの小説読むと元気になれます(^o^)/勉強の合間にまた読むの楽しみにしてます (2018年1月12日 23時) (レス) id: 6dbd28e3f1 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - くまさん» コメントありがとうございます!続き、本日も更新予定です*ぜひ今後ともよろしくお願いします!また覗きに来てやってくださいね! (2018年1月12日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
くま - めっちゃ続き気になるー(*^^*)頑張って下さい! (2018年1月12日 18時) (レス) id: 6dbd28e3f1 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 間違いました!!このコメントは消してもらって結構です!これからも頑張ってくださぁい! (2018年1月4日 2時) (レス) id: 54dbba8f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2017年12月18日 23時