p e r f e c t _

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「どうしよ、これ。」




手元にあるボールを見ながら
私は困っていた、



ライブが終わって、席を離れるとスタッフさんが
宇野さんが待ってて欲しいと伝えてくださいって言われたので、お待ちいただけますか？なんて、


とりあえず楽屋近くの部屋で待たされてるんだけど、
正直今顔合わせるのはなんとなく気まずくて、



やっぱり思ってた通り、実彩子は遠かった、

輝いている、本当に綺麗に。



でも、それ以上に、
心が温かくて、
泣きたくなるくらい心に響いた歌もあって、


なにより、西島くんが、



素敵で、仕方なかった、





こんこん、と叩かれるドア。
実彩子かな、と思ってドアを開ける。



「みさ、…あれ」

西「やっほー、」

「…お疲れさまでした、楽しかったです」

西「って顔してなくない？」

「た、楽しかったですもん、あと、その、」


これ、とボールを差し出すと、
満足そうに笑う西島くんと目があった。



西「宝物にしてね」

「…わたしなんかより、ファンの子にあげたほうがよかったんじゃ」

西「すっげー顔してたんだもん、気になって投げちゃったわ」

「え！そ、…してました？」

西「してたしてた。…宇野見て、変な感じした？遠くに感じた？そんなこと、思ってるより感じなかったろ。」

「…え、」




西島くんから出て来た言葉に、驚きを隠せなかった。
まさか、この人にバレてるなんて思わなくて、
目線をそらすと、やっぱりな。と一言。




西「宇野は、Aちゃんのことよくわかってるよ。…そんなこと不安にしてたって、仕方ねーじゃん」

「なんでわかったんですか、」

西「カマかけた感じだけど、まぁなんとなく。」

「…、実彩子は、すごい輝いてる。」

西「それは、Aちゃんと宇野が友達でいるのと関係あんの？」

「ない、です」

西「じゃあいいじゃん、俺なら結構自慢だけど、あんなのと友達で長いこといれたら」



ばっ、と顔をあげると、にっこりと笑ってる西島くん。
わたしが、思ってることが、手に取るようにわかってるのか、うんうんと頷いている。



本当は自慢だ、実彩子が。
でも、実彩子がどう思ってるかが知りたかった、
怖くて、そんなこと思う人じゃないのに、

それを、こんなあってすぐの人にバレるなんて。



「…実彩子にも、知られてるのかな」

西「知られてても、態度変わんないだろ？」

「あ、…」



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