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大きな音楽、大きな歓声、
聞くもの全て、見るもの全てが
初めての経験で、
私はただ、それに流されるように
時間が経っていく、
ライブが始まってすぐ、
大きな音楽に驚くばかりで、
でも途中から慣れてくると、
これ聞いたやつだ、と
自分の中でも少しだけ楽しめていた、
西 「 さーいごのーページに、結末があーるよーに 」
とある曲、
聞き慣れないその曲に、
私は聞き入ってしまう。
西 「 きみにさよーならー、つーげるためぼーくらー 」
こういう歌も、歌うんだ。
私は、彼が嫌いな訳じゃなかった、
出会えてよかったって事も思えてる、
でもね、多分結末は、さよなら、なんだと思う。
いつのまにか、彼とは別の道を歩いていて、
隣を歩く彼は、きっと、
道自体は、別の道なんだな、と思ってしまう。
「…、なんでこんな、」
心に響くんだろう。
* * *
西 「なーにもー、いわなーくていいー、わかってる、大丈夫ー、」
一気に会場の雰囲気が変わる、
そこにいたのは、私に笑いかける実彩子でもなくて、
もちろん、理央さんだっていなくて、
なにより、
西「 いーたみさえー、かーてーに、」
目を奪われるくらい、
輝いてる、西島くんがいた。
思わず目を逸らす、
胸を締め付ける痛み、
( なんだこれ、なに、なんなの、)
怖くなって、立っていた身体を
椅子に座らせると、曲が変わって、
ダンスパートの多い曲に変わる、
実彩子も、西島くんも、
あまりに遠すぎて、
「 …、わたしには、遠い、」
* * *
その後のことはあまり覚えてない、
ただ目が離せなくて、
ずっと座りながらステージを眺めていた、
楽しそうに歌う曲、
実彩子も西島くんも笑顔で、
バラードも、切なそうに歌う曲、
手をつなぐ演出に、
さらに心が痛んで、
その痛みには気づかないふりをした、
アンコールが来て、みんなが楽しそうにトロッコで外周を回ってくるときだった、
あれ、
実彩子が気づいて大きく手を振ってて、
私も軽く振り返すと、
それに気づいたのは西島くんで、
持っていたボールにキスをする、
それに悲鳴に近い歓声が上がって、
こっちを見たままそのボールが
弧を描くように私の頭上へと降ってくる。
ぽん、と置かれるように手元に来るボールは、
西島くんからの、プレゼント、
まるで私の心を読んだようだった。
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rio(プロフ) - あゆにし♪さん» コメントありがとうございます。長編の女の子のことでしょうか?千晃さんとは別の方です、申し訳ございませんが、こちらは別の長編の複線ですのでそちらに出てくる主人公も出てきます。その方のお名前の設定もしていただけるとわかりやすいと思います。 (2018年1月17日 15時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
くま - 丁寧な返信ありがとうございます!受験が迫っていてこの小説読むと元気になれます(^o^)/勉強の合間にまた読むの楽しみにしてます (2018年1月12日 23時) (レス) id: 6dbd28e3f1 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - くまさん» コメントありがとうございます!続き、本日も更新予定です*ぜひ今後ともよろしくお願いします!また覗きに来てやってくださいね! (2018年1月12日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
くま - めっちゃ続き気になるー(*^^*)頑張って下さい! (2018年1月12日 18時) (レス) id: 6dbd28e3f1 (このIDを非表示/違反報告)
じゅり(プロフ) - 間違いました!!このコメントは消してもらって結構です!これからも頑張ってくださぁい! (2018年1月4日 2時) (レス) id: 54dbba8f6b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2017年12月18日 23時