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「…はぁ、ドキドキした、」



ステージへと戻った真司郎を見送って
ステージ横からはけると

未だドキドキした胸を押さえて、
その場に座り込む。



真司郎の言葉の続き、

実彩子ちゃんも、ちあちゃんも
そういう好きじゃない、と行った時の顔、

うかうかしてられない、というか言葉、


全てが、私を勘違いさせる。



「…そんな、まさかね」


そんな都合のいい考えはできない、
ましてや、私なんて、




西「あーれーれー」

「うわっ！！」


いつのまにか横にいたにっしーが
笑いながら私に話しかけてくる、

なんだか、ニヤついてるのが気に障るが
飛び上がるように立ち上がって
違う意味でドキドキしていた。



西「もーちょっとだったんだけどなぁ」

「な、なにが…」

西「んー？いやなんでも〜？」

「きもちわるい〜、ニヤつかないで」

西「おーい！ちょっと、見守っててやったのに、」

「頼んでないー」


歩き始めた私の腕を掴むように
腕を絡めてがら付いてくるにっしーに
うざいー、と言いながらも
今回ばかりは仕方ないと思い
2人で楽屋へと戻った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



浦「…A、よろしく」

「うん、」



次の日、宮城公演。


始まる前の円陣、
去年のことを考えて、私からみんなへ

そういうような直也くんの言葉


「去年、この地で大きな出来事をしたけど、今年はみんなで立てること、すごく幸せです、…なによりも、素敵な時間にしましょう、」

浦「よし、…じゃあ、行くぞ」

「…、」



グッ、と引き締めてから
みんなで肩を組んで、顔を見合わせる。


浦「宮城、行くぞー！！」

「 「 おー！！！ 」」





ハイタッチしながらスタンバイに向かう。
最後にハイタッチしたにっしーが
手を握って離してくれなくて、
いやー！と言いながら笑う、


「うざいうざいーー」

西「パワー注入ー」


その様子をカメラさんが笑いながら
写真を撮っては、覗き込んで
でも、手は離してくれない。


與「はーい、邪魔邪魔。」


私とにっしーの間を割って入る真司郎。
手が離されて、私の腰を引き寄せてから
スタンバイ場所まで連れて行こうとする真司郎に寄る。


「にっしーバイバーイ」



後ろを貼り向いて、おーい！と言ってるにっしーに
私は手を振って、
横を見れば振り向かないで手を振る真司郎の姿、



西「…見せつけられた感がすごい。」


そんな言葉は聞こえなかった。


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