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外での撮影が終わると、
ダンスパートの撮影。


オフショットのカメラさんが、
あちこち動き回っては撮影してて、
それに映らない時は
基本椅子に座って、俯いていた。


「だめだ〜、…だめじゃない」

西「大丈夫なの？本当。」

「大丈夫、熱とかじゃないし」

西「疲れてんじゃん、」

「そんなのみんな一緒でしょ。」


ノースリーブの白とオレンジの
マルチドットのワンピース、
まだ暑くなりきらないこの季節には少し辛い。

にっしーが羽織をかけてくれて、
椅子に寄りかかっていると、うたた寝しそうになる。



『オッケーです、スタンバイお願いしまーす』



スタッフの声で改めて全員で踊るポジションにつく、
自然と身体が軽くなるように感じるのは
出来た身体だなと、少し笑った。



宇「あは、っ…！やめてよ！」

與「なんもしてへんやん！」




わたしの位置とは逆の所ではしゃく二人、
見ないようにしても、目に入るのが嫌だな、と
それを見るたびにどんどん重くなる身体。


『確認しまーす、少し休憩入れますねー』



はぁ、とため息をつくと
撮影中の様子を撮るカメラさんが寄ってくるのがわかってすぐに笑顔になる。


『お疲れですか』

「まだ大丈夫ー、みんな元気だもんね」

『なかなか珍しい色合いじゃない？衣装、』

「いつも寒色系だからかな？へへへ、にっしーカラー」

西「俺のカラー、可愛い可愛い。」


カメラがあれば笑顔になれるのに、
ひらひらと手を振ってスタジオを出る、



体調の悪さも相まって、
ついつい気にしてしまうのも、
よくないから、二人のことは今はなるべく見たくない。


そう思って、外に出た。
後ろにいた人には、気づかなかった。




與「A、」

「っ、…びっくりした、…」



振り向くと、飲み物を持ったままの真司郎が
こっちに歩いて来てて、



久しぶりに、名前を呼ばれた気がして、
こんなことになってるのに、

やっぱり胸がときめいてしまう。



與「…体調、よくないんやろ」

「大丈夫、…ありがと」

與「…、」

「…」



いつもは心地いい静かな時も、
今回ばかりはあまりに気まずくて、
真司郎から渡された飲み物を手にすると
スタジオに踵を返した。


「も、戻るね！」

與「…まっ、」


『與さーん、七瀬さーん、戻れますかー？』



タイミングが良いのか悪いのか、
スタッフの呼ぶ声がする。


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