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284 ( side Kudo ) ページ9

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照れたように笑う姿、

その存在は前からずっと知っていたのに、
ちゃんと会ったのは、幾分も後で、
それでも、だれよりも心の存在は近かった。


グループを組んでから、
幾度となく、Aに相談もしたし、
幾度となく、彼女からの言葉も聞いた。


この関係は、周りにわかられていなくても
お互いに、大きな存在であることは確かだった。



( こんな風に笑うんだな。 )



それが、いつのまにか
自分も知らない表情をするようになっていた。


一つ一つ、歳を重ねていくたびに
綺麗になっていく彼女が、
俺の中でも、なんだか誇らしくて。


だけど、急に、すごく綺麗になった時があって、


それが、真司郎くんとの関係が変わった時だった。




その頃、俺らのグループでも
ちょっとだけ話に上がった時があって、

普段合わない俺らサイドのスタッフも
綺麗になった、なんて話してたから。
周りから見ても圧倒的な変化だったんだなって。





工「俺はAのそういうところが嫌いだわ。」

「え?」

工「どんどん独り立ちするんだもんなぁ。」

「えぇ、…そんなことないって。大輝がいなかったら、ってこともあったやん!」

工「ない。」

「なくなくない!」

工「なくない!だろ、増えてんだよ(笑)」

「なんで今日そんなぶーたれてんの?」

工「ぶ?なにそれ、そんなことないよ。」



変だよ、と笑いながら
携帯を見るAの待ち受けは、
彼女らしい、グループ8人の笑顔の写真。

そんな時、パッと切り替わる携帯の画面。


ごめん、と言いながらスライドして
電話を始めると、
こっちにも聞こえるくらい大きい声の向こう側。


『どこいるんですか?』

「え?休憩室。」

『もう時間過ぎてますよ〜!』

「え?本当?」


会話が聞こえてきたから、
俺の携帯画面を見せると、表示された時間に驚いて すぐ戻る!と電話を切った。


「ごめん大輝、戻るね。」

工「ん、引き止めてごめん。」

「ううん、私も話したかったし、て話したりないや、」

工「近いうちご飯な。」

「了解!じゃあまたあとで!」


バタバタと休憩室から出て行こうとするA、
慌ただしくしているその姿は、

俺も知ってるAの姿。




「あ、アルバム、出来たら持ってくね!」



笑ったその姿も、俺が知ってる笑顔。




本当は、知らない姿も、もっと。





知りたいなんて、Aは、知らないんだろうな。




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ちい - 更新きてくれてありがとうございます!!また読み返して最新話が更新されててとても嬉しくありがたいです! (2020年6月16日 0時) (レス) id: 41d72408da (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - ちいさん» 遅くなりまして申し訳ありません、コメントありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです*まだ少し続くと思いますので、お付き合い頂けると嬉しいです!また覗きに来てやってくださいね! (2020年5月25日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
ちい - めちゃめちゃ最高です!!何ていうのだろう、、めちゃめちゃ文書が分かりやすいし胸キュンするし、3150で、4回読み直してます!更新楽しみにしてます!! (2020年5月21日 15時) (レス) id: 9cfad6f983 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rio | 作成日時:2019年9月14日 1時

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