p e r f e c t _ 5 (ページ8)

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「大丈夫だね、よし。」

富士急リハーサル前、
控え室に、衣装を並べて小物を確認して、
廊下は慌ただしくスタッフがかけていた。

1日目のリハーサルは生憎の雨、
初の単独野外ライブなのに、
1日目のリハーサルから雨なんて、と思ったら、
グループのイベントはなにかと雨が多いらしく、
スタッフも準備は万全だった。

メンバーが、外でトロッコやクレーンで上がるのを確認してる中、
私は、先輩と一緒に各枠に衣装を配置した。

「…、靴、予備の持ってきてたほうがよかったですかね。」

『や、形違いは無くしたから、予備はそっちと、あともう一つあるから、大丈夫だと思うけど、』

「そうですよね、」

『理央ちゃんが、Aちゃんのデザインがいいって言ったんだから自信持っていいと思うよ。』

「…はい！」

ステージをはけたところに衣装や、靴を並び終えると、

私たちも外に出て、立ち位置を確認しているメンバーを眺める。

先程より少しだけ小雨になってきたのか、
クレーンにのって、上にあげられているメンバーを見上げる。

「高い、」

宇「あれ、A高いのダメだったっけ？」

「実彩子…、いや、大丈夫だけどさすがに不安定だなって思って、」

千「めちゃくちゃ怖かったよ～」

「揺れます？」

千「めっちゃ揺れる、下見たら終わる。」

宇「うそ～そんなに？」

千「宇野ちゃん大丈夫なの？高いところ苦手じゃなかったっけ。」

「…、」

宇「A？」

雨、揺れるステージ、
野外ライブということもあり、
なかなかある事ない出来事なんだろうけど、

なにか、あまり良くない予感がしてる。

きっとこれは不安だ、
私にとってははじめての野外ライブだから、

リハーサルを重ねて、それはきっと消えていく。

「大丈夫。」

千「大丈夫、って？」

「はじめての外だから、なんか緊張しちゃって。」

千「まぁ仕方ないよね、」

宇「大丈夫、絶対成功してみせる。だから、Aも安心して、私たちにできることしてくれれば。」

心強い言葉だった、
信頼して、大丈夫だから、と言われてる気がして。

私の中のざわめきが、一瞬で消えた言葉だった。

そのざわめきが、この時は、
勘違いではなかったことが、後からわかるまでは。

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