p e r f e c t _ 5 (ページ40)

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「めちゃくちゃ助かります、」

日「や、いいんだけど、俺も別にそんな流暢なわけじゃないからなぁ。力になれるかわからないけど、」

タクシーを拾って、
市街地まで出てきた、

あのタイミングで、日高さんが着てくれたことは
奇跡に近い。

あまり、外というか、衣装場所までで向くことないメンバーだからこそ、
日高さんがたまたま、ざわついてることを気にして
きてくれたのは、
彼の性格なのか、それともたまたまなのか。

たまたまでもいい、
確か日高さんは、英語ができたはず。

真司郎程じゃないよ、と
何かと謙遜すること日高さんだけど、
リスニングもできない私たちからしたら
めちゃくちゃありがたいと思う。

日「宇野とかのがよかったんじゃないかな、」

「実彩子に連絡したんですけど、繋がらなくて、」

日「あー、この時間は出ないか、女子はそうかもしれないなぁ。」

「なので、日高さんでとても助かりますよ、」

日「お役に立てそうならいいけどね。」

ふわり、と笑う姿。
少し前も思ったけど、
この人は、本当に優しい人だと思う。

日高さんと、いや、メンバーと知り合ってから
日高さんが誰かに怒ったり、声を荒げたり、
そういう姿を見たことがない。

いつでも、柔らかく誰かを包み込むように話して、
誰よりも、包み込んだ言葉で返してくる。

ついたよ、と先輩の声がして、
タクシーが止まる。

この時間でも、光るライトに当てられながら、
私たちは足を進めた。

＊＊＊

「本当に助かりました、」

日「案外なんとなるもんだな。」

「というか日高さんめちゃくちゃ喋れるじゃないですか、」

日「全然でしょ、ある程度って感じ。仲良い奴もいるしね、こっち圏に。」

おかげで、すぐに買い物は終わった。

先輩は今、スタッフ側に連絡を入れてるところで、
タクシーを待ってるところだ。

こんなに話せると思わなかったというか、
日高さんがあまりに謙遜したからか、
日高さんの口から出る言葉にとても驚いた。

多才なんだな、と人知れず感心する。

日「さて、戻りますが、」

き、とタイヤが止まる音と、
日高さんの笑みが交差して、

「そうですね、」

私たちは、忙しくした１日を終えた。

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