p e r f e c t _ 5 (ページ15)

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199 ( side Nishijima ) ページ15

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会場から離れて、
スタッフと一緒にホテルに戻ってきた。

スタッフからの連絡はない、
状態もわからない。

正直言って、誰もが不安をまだ隠しきれない状態だ。

エレベーターの中、
メンバーの前では溢れなかった不安が
ため息とともに溢れる。

エレベーター特有の音がなって、
エレベーターエントランスに降りると
ドン、と人がぶつかる。

「っ、…すみ、…西島くん、」

慌てた様子のAだった。

そういえば、あんな中、
Aを見かけることもなかったな、と
ふと思い出したけど、
それよりもAの表情が気になって、
一緒に上がってきたスタッフを先に行かせた。

西「なに、どこいくの？」

「あー、…えと、事務所に戻って、」

西「は？これから？」

「うん、…衣装修正するところがあって、合わせでキャンセルした方の衣装と、あと、グローブとか、色々取りに戻るの、」

西「あぁ、そういうこと、…まだ連絡はそっちにもきてない？」

「意識だけは聞いた、けど、詳しいことはまだ全然、…西島くんたちも？」

西「うん、直也くんからの連絡待ち。」

「そっか、」

ふらふらと、泳ぐ視線。

西「…俺も行こうかな、」

重なることがなかった視線が
ぱっちりと合って、

ダメでしょ、と答えが返ってくる。

俺が、スタッフにも、もちろんメンバーの前でも出せない不安があるなら、
きっと、Aの中にも葛藤があるんだ。

有無を言わさないで、
いつもの無茶振りで押し切って、俺はAについて行くことになった。

『は、？』

西「ちょっとAについていくから、直也くんから連絡あったら教えて。」

『だ、何言ってるんですか、…ダメです、』

西「わかってる。けどごめん、やっぱり心配でさ、…俺にもメンバーにも不安があるけど、Aにも、スタッフ側にも不安があるだろうから、」

『それはわかってます、私にもありますけど、けどなんかあったりしたら、』

西「俺の大切な子にあんな顔させたまま一人にできないじゃん、スタッフ云々の前に俺の彼女なの。強くないから、強がって一人で泣かれらの嫌なんだよね。」

Aには言ってない、マネージャーに伝えてること。

けど、彼女との信頼は厚いから、
だから、俺が思っていたことを全て話せば、

困った顔をして知らないふりして送り出してくれる。

わがままな思いも、受け入れてくれる人で。

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