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「個人的には、特に問題なさそうでしたけど、中のチュールはもう少しボリュームあってもいいかなと思って、」
『今からでも間に合いそう?』
「余分持ってきてたので、重さもさほど気にならないって理央さん言ってたので、」
『靴変えたからそっちの方がいいかな、』
「なんか見栄えがこう、」
1日目は無事に、
無事ではないんだろうけど、
みんなの事もあって、
今出せる全てをファンの子の前で見せれたはず。
反応も上々、
メンバーもそれなりに自信につながるはず。
これなら、みんなの前に出る前にあった
心配もきっと、大丈夫なはず。
少し気になるメンバーももちろんいたけど、
表に出すことはきっと、この三日間はないだろう。
それくらいみんなは、強くなってて、
こっちの心配も、不安も、
跳ね除けられそうな気迫だった。
1日目終了後、
衣装は数え切れないくらいの改善点が出た。
もちろん、表立って大きく変わるものはないけど、
細かな改善点が山ほどあった。
衣装班はまとまった資料を見返して、
予備や余分を合わせて、
出た問題を改善していく。
まさしく文字通り、
寝る間も惜しんで、だ。
「靴変えたから、やっぱり全体的に華奢になってしまって、それならここ、の色合いと、裾のボリュームで広がりが見えた方が綺麗だと思うんですよね。」
『…、』
「難しいですかね、」
『いや、なんか前から思ったけど、Aちゃんって、人と違った感性あるから、いいなって思ってたんだよね、』
「え?」
『妥当にならないというか、人が考えつかないようなものが出てくるから、』
「…そう、ですかね、」
『俺は好きだよ、そういうの。よし、それでいこう、』
「ありがとうございます、」
褒められた、んだよね。
あまり気にしたことなかった。
けど、それがAAAにとっていいことになるなら、
プラスになることなら、
この上なく嬉しいことだ。
その夜の作業は、
外が少し明るくなるまで続いた。
ホテルの部屋に戻るころには、
日が昇り始めていて、
今日も、また始まる。
「今日も、何事もなく終わりますように。」
→
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ゆう - すごく良かったです! (2020年2月4日 12時) (レス) id: 740b20218b (このIDを非表示/違反報告)
くま - 次が気になる〜!! (2019年9月3日 23時) (レス) id: dcfe0f3089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2019年5月21日 2時