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エントランスの横にある個室の部屋、
どこでこの場所を知ったんだろう、と
不思議にも思ったけど、
この時間ともなれば、エントランスもだが、
部屋廊下にも人気はなかった。

幸い、このホテルのワンフロアは貸切だったし、
メンバーももちろん、私たちがここにいることは
気づいてる人はいないようで。



「真ちゃん、ここから中庭見える!」

與「はいはい、あんまうるさくすると目立つから。」

「…ん、ごめん。」

與「時間もあんまりないし、早い所戻らんとやろ。」

「実彩子ちゃんにも釘刺されてるんだよね…、」




相変わらずやな、なんて笑ってる真司郎の隣に座る。

ぱちっと目が合うと、
心の隅から、一つずつ不安や、滞った想いが、
流れるようにこぼれ落ちる。



「前さ、颯のこと話したでしょ。」

與「颯、…あーあったな。」

「あのあとさ、颯と事務所であったの。真司郎が、向こうに行くことも知ってた、真司郎が、私をこっちに置いていくなら、遠慮なく奪いに行きますとも言われた。」

與「は、なんっ」

「待って、ちょっと聞いて、」

與「…ん。」

「颯、だっちゃんが私のこと好きでいてくれたことも知ってた。なんでかわからないけど、颯のことだから、そのあとね、だっちゃんと会ったの。…颯のあんな顔見て、あぁ、だっちゃんのことも傷つけたんだろうなって思ったんだよね、」

與「…それで日高に?」

「だっちゃんにはバレバレだった、俺はそれで傷ついた訳でもないし、諦めた訳でもないって。でも、大切なものこと、伝えないとって教えてくれたんだって。」



いつだって、私の前で紳士でい続けてくれただっちゃんは、
私の背中をちゃんと押してくれたんだ。


きっと、傷つけたのも、本当のことだから。




「颯のことだって、だっちゃんのことだって、傷つけたくはないよ、大切な人たちなのはわからない。だけど、」



ふわり、と頭にあたる肩。
いつまでたっても、近くにいてドキドキするのも、
落ち着いた匂いも、全部が真司郎にだけ。



「やっぱり真司郎は、特別なんだ。真司郎が、向こうに行くって決めた時、別れを選ぶ強さなんてなくてよかったと思ってる。」





ー さよならと、言える強さも欲しかった ー





今ならわかる、



私にその強さはいらなかったんだ。



強がりも、弱さもすべて、



受け止めてくれる人がいるから、





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ゆう - 読んでてメンバーがこんな事言いそうとか共感して時間忘れて読んじゃいました! これからも頑張って下さい! (2020年1月19日 22時) (レス) id: 740b20218b (このIDを非表示/違反報告)
ささみ - 更新お待ちしておりましたよ!気軽に描いてくださいね (2019年6月2日 22時) (レス) id: 45f78a918e (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - ななさん» ありがとうございます(*´∀`)今後もよろしくお願いします! (2019年5月8日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - EYさん» いつもありがとうございます(`▽´)これからもよろしくお願いしますっ* (2019年5月8日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - まやさん» コメントありがとうございます(*´∀`)更新ゆっくりで申し訳ないです、これからもよろしくお願いします! (2019年5月8日 23時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rio | 作成日時:2019年2月18日 19時

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