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與「ふらついてるなんて言うてごめん、…ほんまはそんなこと思ってない、」

「わかってる、私と真司郎の間にすれ違いがあることくらいわかってたのに、…ごめん、私も不安になってた、」

與「ん、不安にさせてごめん。それと、」

「うん、？」



與「 別れるなんて思ってへんよ、嫌だって言われたって離してあげんから。」




言葉とともに、額に唇が落ちる。



きゅ、と熱く、さっきとはまた違った胸を掴まれる感覚に陥って、


胸の奥がじんわりと温かくなる。






「 私だって思ってる。」

與「同じ気持ちでよかった、…ありがと。」

「ん、…ていうか、留学は？本当なの？」

與「…うん、結構前から考えててんけど、まだいけたらいいなって思ってる段階から、ちょっとずつ話が決まって、時期とか、期間とか、グループのこととか、ちゃんと決めてから、話したかっただけ。」

「そっか、」

與「Aと別れたいなんて思ってへんかったけど、俺がしたいことやから、しっかり決めてから話したかったん、…わかってくれる？」

「…頑固だもんねその辺、わかってるよ、」




頑固、と言った瞬間にぎゅ、と顔をしかめる真司郎。
それでも、真司郎の気持ちだったし、
やりたいことを貫きたい真司郎だからこその思いだったんだなって、ちゃんと納得できた、


それに、別れを、考えてなかったことには、
少しだけ嬉しく…、


少しじゃない、すごく嬉しかった。



與「噂になってるってのは、ちょっと気付いてた、マネージャーからも聞いてたし、けど、その噂若干ズレが始まってたから、下手なことになる前に、みんなに、…メンバーにもAにも、話さないとって思った時やってん、」

「それがこの前の直也くんとのやつ？」

與「うん、…グループに迷惑かけることにもつながるから、先に直也くんに話した方がいいって思ったのは俺の考えやから、…それで、あーなって、」

「…グループ…、抜けるってのは、」



びっくりするくらい声が震えた、


聞きたかったこと、一番聞けなかったこと、




與「ありえへんわ、全く考えてない。それが噂立つ前に話したかってんに、」




本当に噂って回るの早くて嫌いやわ、と
今度は拗ねた表情になる。


百面相を見てるようだった、


こんなたくさんの表情を見れるのは、
今は私だけなんだなって、感じると嬉しくて、
温かくなる心。




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