180 ( side Hidaka. ) ページ1
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何度も夢を見た、
いつか、この手が、あいつの手を取って、
隣にいるのは、笑顔のあいつで。
それでも、それは、夢として、
現実にはならなかった。
なぁ、いつになったら、
俺の目を見てくれるんだろう、
そう思った時もあったよ、
けれど、それ以上に俺は、
心から愛してたやつの、幸せを
願える男に、なりたかったんだ。
日「俺はね、何があったって、Aの味方でいるつもり。だけど、…真司郎の気持ちも、わかってあげないとだと思うよ、」
見え透いた嘘、
自業自得だと、直也くんに告げた口から、
こんな嘘が出てくるなんて、思いもしなかった。
なんで泣かせるんだ、
なんで、もっとちゃんと捕まえておかないんだよ、
そんなことばかり、思うのに。
それが、Aを苦しめると思うと、
言葉として成さないまま、心の中で黒く濁る。
日「ほんとは、この目に俺が写ればいいなって思った事もあった、けど、Aは真司郎に向いてて、真司郎だってAを大切に思ってる。だから、ちゃんと、話さないとダメだよ、」
「だっちゃん、」
日「いいじゃん、ふらついてない!って言えば、こんなんなるまで、真司郎のこと想ってるの、ちゃんと伝えないと。あの鈍感野郎は気がつかないよ、」
うん、とぼろぼろに涙をこぼしながら
頷くAは、ありがとう、と一言いって、俺の手を、自分の頬から退かす。
あぁ、この手を、
掴むことを、どれだけ夢見たか。
だけれどそれは、叶わぬまま。
降ろされた手と一緒に、
俺の想いも、
もう、一つの終わり告げる。
日「明日本番だし、ちゃんと話せそう?」
「うん、…大丈夫だと思う、」
日「どーせ、本番はいつも通りできると思うからその辺は大丈夫だと思うけどさ、あんまり無理して詰めることはねーし、」
「…ありがと、とりあえず武道館は、ちゃんとやるから、大丈夫だよ。」
なにが、大丈夫。だよ、
昔から聞いてきたその魔法のような言葉は、
今はあまりにも弱くて、
それでも、
( そんなになるまで、真司郎のこと、すきなんだな、 )
俺が、Aを想っていたのと同じくらい、
あいつも、Aのことを想ってる、
そう思うと、なんだか微笑ましくなるのは、変な気分で。
悔しくて、泣きたくて、
それ以上に、愛おしくて仕方ない。
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rio(プロフ) - 林檎印さん» いつもありがとうございます(^o^)!後輩くんが出てくると何故だかいい雰囲気ではなくなってしまう…波乱の幕開けみたいな感じですね!(笑)こらからも頑張っていきますので、今後もよろしくお願いします! (2019年2月11日 2時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - 宇宙飛ぶペンギンさん» 度々申し訳ありません( ; ; )変換できなかった箇所、確認させていただきました!別の方法で変換できるようにいたしました、ご指摘ありがとうございます、助かりました( ; ; ) (2019年2月11日 2時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙飛ぶペンギン(プロフ) - rioさん» コメント返信ありがとうございます、そして確認して頂いてありがとうございました(;_;)これからも楽しみにしています! (2019年2月11日 2時) (レス) id: 4bd4b0b0ab (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - 宇宙飛ぶペンギンさん» コメントありがとうございます!確認してきたのですが、特に変換できなかった場所がなかったので、何かのバグかと思われます(;;)お役に立てず申し訳ありません…!アプリの方でも確認したのですが、変換されてたので何度か更新して頂けると幸いです( ; ; ) (2019年2月11日 2時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙飛ぶペンギン(プロフ) - いつも楽しく拝読させて頂いています。228話の颯くんの「本当にそんなことがあるなら」の所が2箇所、名前変換できないのですが…他はできるので、そこだけだと思います… (2019年2月11日 2時) (レス) id: 4bd4b0b0ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2018年10月25日 23時