d e a r e s t _

45. ページ47

.




無事に完治した日高くんは、
何事も無かったかのようにSNSに浮上していた、





｢…え、なんでここで寝てんの。｣



看病という名のお家訪問の次の日、
ソファでいつの間にか寝落ちていた私は
朝目が覚めたら、横に掛け布団に包まっている日高くんを見て顔を顰めた。



夜中に起きて、何となく横に座ったらそのまま寝落ちちゃった。なんて言ってた日高くんの顔色は
前日よりもかなり回復していて、
熱も測ればいつもと変わらないらしく、
とりあえず完治、ということにはなったが、



｢病み上がりなんだから、ちゃんとベッドで寝なよ…｣

日｢ごめんごめん、次は気を付けるから｣

｢次なんてもうないです。｣

日｢え！俺が風邪は引いたら誰が看病してくれんの｣

｢知らないよ、引かないように予防して。｣


そんなことを言えば、
なんだか不服そうにしてたけど、
私は正論を言ったまで。


それに、想い人の看病なんて
正直この2日間で分かったが、

心が痛くてならない。



たまったもんじゃないわ、ほんとに。




そんなこともあって、今は完全に完治した日高くんはなにやらライブに忙しそう。


もちろんその間はここにはこないし、
ツアーももうすぐ終わるから、
そしたらまた遊び行く、とかなんとか言ってるけど
そのうち自分の方の仕事も忙しくなったら
ここに来れることも少なくなるのは分かってる。



そんな矢先のこと。




skyhi.そう言えばすっかり忘れてたんだけど、
skyhi.この前持ってきてくれたタンブラー、うちにまだあるから顔出しに行く。
skyhi.長くいれないからAがいる時持ってくけど、いついる?



そういえば、置いてったままだったの忘れてたわ、

別に急ぎじゃないけど、と返しても
マスターにもお礼言いたいから。と本当に律儀な男。


そういうところが好かれてるのはわかってるし、
今週はいるよ。と返せば
今週末顔出し行く、だけ返ってきた。



ツアーが終わって、
アニバーサリー、だったっけ
そのライブが終わるまではバタバタとするから行けないかも、なんて言ってたから



「まぁ、顔見れるならいいか、」



となんだか、自分に言い訳をする。

彼に期待をするのももう考えてない、
これ以上の幸せは、きっともうないから


わかってるのに、どうしてだろう



どんどん好きになっていくだけ。




→

46.→←44. ( side Hidaka. )

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す