164 ページ29
.
実彩子に言われるまで、
浦田さんに、私と西島くんの事がバレてるなんてすっかりと頭から離れていて、
西島くんの表情を見て、
やってしまった、と悟った。
「…でも、浦田さんはなにも言わないって言ってた、」
西「そりゃそうだろ、…まぁ直也くんの事だから、気づくだろうなとは思ってたけど、」
宇「私もそれは思ってた、時間の問題だったとは思うし。」
「…ごめん、」
宇「別になにも謝る事してないじゃない、…それたもばれてダメな事でもある？」
「ううん、そうじゃないけど、」
宇「なら謝らない。」
いい？と、ぎゅっと私の頬を両手で押す実彩子は
大丈夫だよ、と言ってくれてるようで
多分直接的には言ってこないけど、
実彩子も、浦田さんがまだ私に気持ちを持ってることに気づいたんだろうな、
宇「ま、とりあえず結果的にはいい方に向かったんだから、いいじゃない、ね？」
西「…まぁな。」
宇「多くは言わないでおくけど、…にっしー。」
西「うん？」
宇「…マジで泣かせた時は、本当に覚悟しといてよ。」
途端にトーンが変わる実彩子。
その言葉に、浦田さんが話に出てきた頃から
少し機嫌の悪そうだった西島くんの表情が引きって、はい、と控えめに頷いた。
踵を返すように、控え室に戻る実彩子の
後ろ姿を無言で見送る西島くんには、
ちょっと可哀想なことしたなと思ってしまった。
西「直也くんにちゃんと言ったの？」
「ううん、最初はまだ誰にも話してないから、違うって言おうとしたんだけど、」
西「それでもわかっちゃったかぁ、…さすがというかなんというか。」
「実彩子にも言えたし、…やっぱ話した方がいいかな、」
西「や、俺が言うわ。」
「え、」
だからAは何もしないで、と緩く微笑む西島くん。
この時にはわかってなかったけど、
一つの宣言を告げようとしてたのなんて、
私は気づいていなくて、
西「メンバーの方には俺から話すから。」
と、その後の話はなにもさせてくれなかった。
確かに、西島くんから話した方がいいよね、
気も使わせてしまうし、と私は思って
素直に頷いた。
→
165 ( side Nishijima. )→←163 ( side Uno. )
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 800人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
rio(プロフ) - Takatakaさん» コメントありがとうございます！更新、なかなか出来ず申し訳ありません。もう一つの方のお話の目処がつき次第、新しい枠にて更新させていただきますので、ドキわくしながら待っていてくださると嬉しいです。ありがとうございます(* 'ω')ﾉ (2019年5月13日 0時) (
レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
Takataka(プロフ) - はじめまして、perfect続きがとても気になります、更新楽しみにお待ちしてますし (2019年5月10日 20時) (レス) id: e0f897fd84 (このIDを非表示/違反報告)
shuchia。 - はい、その内twitterの方にも顔を出させて頂こうと思っています!angel_凄く設定が好きです…!!笑これからも頑張って下さい、応援しています。 (2018年12月6日 18時) (レス) id: 8e21e369d0 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - shuchia。さん» コメントありがとうございます。遅くなり申し訳ございません。桃推しなのですね、とても嬉しいです＊桃主体のお話読んでくださったみたいで、ありがとうございます！ぜひtwitterのほうにもお越しいただけたら嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2018年12月1日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
shuchia。 - 初めまして。いつかコメントさせて頂こうと思っていましたが、勇気が出ず…えっと、rainbow.rainbow+.angel.短編集も読ませて頂いています。桃推しの私でもrainbowや、この小説、愛してます!応援してるので頑張って下さい。 (2018年11月26日 23時) (レス) id: 8e21e369d0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：rio
| 作成日時：2018年7月30日 22時
