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( side Atae. )
いつもやったらAが言いたいことが手に取るようにわかるのに、
今回ばかりは分からなくて、
それにイラついて、言い返したらAの表情が揺らいでて、
楽屋を出るAを追いかけられなかった。
メンバーがいる手前、甘えることもそこまでしなくなって、
それが当たり前になっていた。
Aもそうだ、
ただ2人きりの時の当たり前は、
しっかりとわかってたはずなのに。
Aが出てった楽屋、
実彩子が話しかけてくれたけど、
意地を張ってイヤホンで遮断する。
( Aやって悪いやん、なんも言わんなんて )
そう思って携帯を触っていると
片耳のイヤホンが引き抜かれた。
驚いて顔をあげると、
何も言わずに黙っていた千晃が立ってて、
與「なに?」
千「Aのところ行ってきて。」
與「…秀太がいったんやろ。」
千「そうだよ。でも、Aと真ちゃんの問題でしょ。秀ちゃんに迷惑かけないであげて。」
珍しく千晃が怒っている。
そういえば前にもこんなことがあった。
秀太と俺が揉めた時だ。
千晃はだれより冷静にみんなのことを見ている。
でも、いつもは自分たちで解決するから口出ししないで、気づかないふりをしてるから。
こういう時の千晃に意見できる人は誰もいない。
直也くんでさえなにも言わない。
千「撮影30分後くらいだから。それまでになんとかして、どっちが悪いかなんて知らないけど、話もしないでこのまま撮影にいくのはよくないよ。」
與「…でもAが話さないんやし」
千「じゃあ聞き出して。いつもしつこいくらい聞いてるじゃん。」
與「、…」
千「はい、行った行った。秀ちゃん戻ってくるから、任せたからね?」
にっこり。
千晃の顔は笑顔に戻っていて、
ちゃんと話してきてね。とそう言った。
やっぱり千晃だけには敵わない。
與「…ごめん、」
千「いうのは私にじゃないから。」
與「ん、」
楽屋から出ると、千晃に言われた場所に向かう。
途中で秀太とすれ違って、
秀「お前はどっちも馬鹿だな、」
與「…うるさいわ。」
行ってらっしゃい、なんて言われて
休憩室に入ると、薄く膜の張った目を向けてくる。
「…、真司郎、」
與「ん、」
「…好きじゃない、なら言って、」
いつものAからは想像もつかないくらい
弱い声と不安そうな言葉に、少し胸が痛んだ。
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rio(プロフ) - まりぃさん» わー!ありがとうございます*久しぶりに橙色さんのお話書きました〜!嫉妬ヤキモチは当たり前の橙色さん可愛いなと思ってます!私もまりぃさんのお話大好きなので、また見に行きますねー! (2018年2月15日 12時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - V.Dの甘いお話読ませて頂きました。橙色さんは現実もこんな感じなんだろうなぁと想像できてやっぱりrioさんの世界観好きです(*´艸`*)これからも楽しみにしてますね(^_^) (2018年2月14日 23時) (レス) id: f415f217df (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - 机さん» コメントありがとうございます*そう言っていただけるだけでとても嬉しいです、良かったらまた覗きに来てやってくださいね!* (2018年2月12日 0時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
机 - コメント失礼しますm(__)mとっても面白いです!頑張って下さい! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 799744c169 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - mahoさん» 夜分遅く大変失礼致します!コメントありがとうございます、曲ですが当たりです!私も大好きな曲なので分かっていただけて嬉しいです!*これからもよろしくお願いします!また覗きに来てください!* (2018年2月11日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2018年1月21日 17時