＊ 短編集 III

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真司郎の福岡のトークショーが終わった夜にラインが送られてきて、


「 明日事務所いくってほんま？ 」


なんてなんかよそよそしい感じのライン。



ソロのやつの予定だけどいくよ、と返せばわかった、寄る。と返ってくる。



名古屋のトークショーの後にこっちに一回戻ってきたのに、また会ってくれるんだ、といつもより随分と時間合わせてくれるんだな、なんて思っていると。

マネージャーから呼ばれて携帯の画面を落とす。



「うーん、…なんかあったかな。」



不安少しと、会える嬉しさプラス。
でもまぁ多分すぐ帰るって言ってたから、その前に事務所寄る予定だったし、ついでだよね、自問自答。


それでも、会える嬉しさはこみ上げてきて、
マネージャーのなかちゃんに、
にやけないでください、と小突かれた。





＊ ＊ ＊





『A〜、與さんいるよ』

「あれ。ほんと？」

『スタッフに捕まってるけど。』

「あ、じゃあいいや。あとでい、」



事務所でソロのイベントの打ち合わせをしてたら、なかちゃんからそう聞いて、もう来たんだと、思いながら
あとでいく、と返そうとした時
なかちゃんと数瞬の差で部屋に入ってくる真司郎。



『うわ、っ』

與「え？あ、なかちゃん…ごめん。A借りてええ？」

『大丈夫ですよ、ちょうど休憩しようと思ってたんで。』

與「あ、ほんま？じゃあ借りる。』

「私の意思はなしなの？(笑)」

與「昨日言うたやん。ちょっと来て欲しいんやけど、」

「んー、じゃあちょっと行ってくるね、」

『はぁい、いってらっしゃい』




挨拶もなしに、真司郎に連れてかれるのは、スタッフが数人いる部屋で、中に入れば服と小物やらが綺麗に並べられていた。



「ねえ、」

與「ん？」

「もしかして、IMIM新作？！」

與「正解。一回事務所戻す予定やったから、見たいって行ってたしちょうどよかったからな。」

「わー！ありがとう〜、」



並べれていたのはIMIMの、春夏。
真司郎がトークショーに来てくれた人だけに紹介したと噂のものだ。

わざわざ綺麗に並べてくれてるのを見ると、少し申し訳ない気持ちになったけど、
IMIMのスタッフさんもニコニコとしてくれてるので、遠慮なく見せてもらうことにした。



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