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「ただいま〜」
西「はいおかえりー、」
一人暮らしをしてるとどうしても自分しかいないのにその言葉が出てしまう。
今日は一緒に帰ってきた西島くんが返事したけどいつもだったら、シンとする部屋に苦笑いだ。
仕事が終わって、帰る準備をしながら待っていると
少しだけ機嫌が直ってる西島くんを見かけた。
與「Aちゃんちいくんやー、って喜んどったけど。」
與くんのその言葉に、そんなんで機嫌直してくれたんだとちょっとだけ可愛く見えてしまって。
西「着替えてくる。」
「はーい。」
私も着替えてから、ご飯はうちで食べると聞かない西島くんのために、仕方ないなぁと言いながらも、
実は忙しくて最近西島くんも過ごせてなかった時間をちょっとだけ嬉しくなっていたのは、内緒で。
忙しくなると全然食べなくなる彼に、心から心配してるのに。
大丈夫だから、とくる返事に
まだ頼られる場所ではないのかな、なんて思った時もあったけど。
彼なりに、私の前ではかっこいい自分でいたいらしくて。
「そんなことしなくても、かっこいいのに、」
髪を結んでキッチンに立つ。
手を洗っていると、後ろからお腹に手が回ってきて、顔を寄せられた。
西「なぁ、本当にないの?」
「なにがー?」
西「……もういい。」
「ちょっと、落ち込むなら向こうでやってよ、邪魔。」
西「邪魔はないだろ、…なんか與に似てきた。」
「似てないから、手伝わないなら向こうで待ってて。」
ちぇー、とリビングに向かって行く背中は
やっぱりちょっとだけ落ち込んでてて、
とりあえず慰めるのは今は我慢。とご飯を作ることに専念した。
* * *
西「ごちそーさま、美味しかったー」
「ん、よかった」
いつもより少し少なめに作ったご飯、
理由はこのあとわかるけど、
西島くんは気づいてなさそう、
飲み物持ってくるね、とソファから立ち上がって
キッチンに戻ってから、飲み物を入れ直すと
冷蔵庫にしまっておいたものを持って
リビングへと戻る、
「…はい。」
西「お、ありが……え?」
「作ってないとは言ってないでしょ。」
西島くんの前に置くのは、クラシックショコラのケーキ。
昨日みんなのクッキーを作った後に、
西島くんの分だけ別で作って、
もちろんケーキを持って行くのはできなかったから、
" 持って行かなかった " のだ。
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rio(プロフ) - まりぃさん» わー!ありがとうございます*久しぶりに橙色さんのお話書きました〜!嫉妬ヤキモチは当たり前の橙色さん可愛いなと思ってます!私もまりぃさんのお話大好きなので、また見に行きますねー! (2018年2月15日 12時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
まりぃ(プロフ) - V.Dの甘いお話読ませて頂きました。橙色さんは現実もこんな感じなんだろうなぁと想像できてやっぱりrioさんの世界観好きです(*´艸`*)これからも楽しみにしてますね(^_^) (2018年2月14日 23時) (レス) id: f415f217df (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - 机さん» コメントありがとうございます*そう言っていただけるだけでとても嬉しいです、良かったらまた覗きに来てやってくださいね!* (2018年2月12日 0時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
机 - コメント失礼しますm(__)mとっても面白いです!頑張って下さい! (2018年2月11日 15時) (レス) id: 799744c169 (このIDを非表示/違反報告)
rio(プロフ) - mahoさん» 夜分遅く大変失礼致します!コメントありがとうございます、曲ですが当たりです!私も大好きな曲なので分かっていただけて嬉しいです!*これからもよろしくお願いします!また覗きに来てください!* (2018年2月11日 1時) (レス) id: 8574c01615 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:rio | 作成日時:2018年1月21日 17時