r a i n b o w _ (ページ42)

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1回目のMCは、療養中のことを話したり
それと復帰してきた時に
にっしーが号泣して離してくれなかったこととか、
他愛のない話をして、
楽しかったことも、辛かったことも話した。

不安だったものは、
いつのまにかなくなって、
ついに、ソロ曲が近くなる。

(声が、出なかったら)

そんな不安がよぎる。
秀太の言葉、思い出しては息を整える。

秀「俺も、他の奴らもいる。だから、しっかりファンの前に立てる。」

私にもみんながいるんだもん。
何も怖いことなんかないよ、

「…、よし」

與「A、」

「わ、真司郎。」

與「これ、」

「え？」

真司郎から渡されたのは、
今回つけてなかったグッズのヘアゴム。
前半戦、私が怪我をするまで
ランダムにつけてたヘアゴムだ。

「白…じゃない、え、なにこれ」

與「白これだけやって言ってたのに、
これが壊れたんやろ、直してもらっておいた」

「え、…でも、これ」

與「俺の自信も分けといたわ。」

笑ってそういう真司郎。
裂けたような切れ方をした私のカラーのゴムは、
真司郎のカラーのゴムとつながって、
二色のヘアゴムになっていた。

與「あの日、青と白、Aがつけた色や。
これなら、完璧やろ。」

「…へへ、ありがとう。」

與「大丈夫やから。」

真司郎のいつもの魔法の言葉。
自分で言うより何万倍も効果がある気がする。

うん、とうなずくと
縛ってあるゴムの上から、二色のヘアゴムをつけた。

「混ざれば空色、虹を映えさせられ幸せのカラー」

與「おん、そうや。…いってらっしゃい。」

「いってくる！ありがとう、真司郎！」

向かう先はステージの上、
1ヶ月前のあの日、ここで途絶えてしまった笑顔。

でも今日は大丈夫なの。

真司郎からの力も、
みんなからも笑顔も、
ファンの子からの声援も、

みんなみんなチカラになるから。

小さく息を飲むと、綺麗に歌い出した。

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