r a i n b o w _ (ページ38)

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ステージに立つ恐怖。

そんなことを思う日が
来るなんて、

大阪について、ホール内を見回りながら
構成の話や、ケータリングがーと、
話しているメンバーを横目に
私は一人ステージへと向かった。

(明日、ここに立つ。)

何度もたったステージの上、
今はすごく大きく見えて、
私は足を竦めた。

『最初の配置についてもらえますかー』

いつものようにスタッフが声をかける。

メンバーはみんな話しながら初期位置に立つと、
その背中を見ながらステージに入る前の階段で、
足が止まってしまった。

(明日また、怪我をしたら？)

(機械が動かなかったら、)

(期待してくれてるファンの子の目、)

(裏切ってしまう、)

頭を駆け巡る、1ヶ月前の出来事。

「、こわい…」

立つことの恐怖なんて、
もう何年も味わってない、
緊張はするけど、始まればいつも楽しくて
いつまでも立っていたい気持ちにもなる、

なのに、

今は、

ここに立つことがこわい。

いつまでも上がってこない私を
不思議がってメンバーが戻ってくる、

西「A？」

「…ごめん、ちょっと緊張しちゃって」

日「1ヶ月も空いちゃあなぁ」

だっちゃんが笑って私に手を伸ばす、
暖かい手に引かれて、
私はステージへと上がる。

「…大丈夫、」

いつもの呪文のように小さく呟くと
目線をあげる。

広がる空間と、
大好きなメンバー。

『最初から音流しますー、よろしくお願いしますー！』

イヤモニから聞こえる声が、
私の中に反響した。

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