r a i n b o w _ (ページ26)

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止血したはずの足首の怪我は、感覚がない、
腰の痛みで、途中朦朧とした瞬間がある、

ただ、目の前にいるファンと、
横にいるメンバーの顔を見たら、

やりたい。と思ってしまった。

時間がないから、とメンバーに話せてない。
ジャンプアップの曲はもうない、
最後まで、最後までもって、と
願うばかりで、曲間ではけるたびに
向けられる心配そうなメンバーの顔に、
大丈夫！と笑顔で答える。

「…、大丈夫、やれる。保てる、」

與「A、スタンバイ」

「うん！ありがとう、」

真司郎だけが、いつものように声をかけてくれて、
それが冷たさではなく、
私を信じてくれてる、そういうような顔をしていた。

スタンバイで待つ、みんなの顔を見ると、
みんな、笑顔で、頷いてくれる。

真司郎だけじゃない、大丈夫、
わたしにはみんながいるから。

「アンコールー！！ありがとうー！！」

いつとより大きな声で、元気に
ファンの声が、私を勇気付けてくれた。

浦「ツアーはとりあえず一区切りですが、
a-nationで会いしましょう！！」

西「来月からの後半戦も、よろしくねー！！」

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「っ、…」

ライブが終わった瞬間、
はけるとすぐに倒れこみそうになって、
壁へと手をかけた。

與「A、…手ぇかして」

「…真司郎、ごめん」

後ろから手を引いて、私の体を支えるように
抱き寄せてくれる。

その様子を見て、メンバーが集まってくる。

宇「説明、してほしいって言いたいところだけど、」

浦「うん、先に病院。俺もついてく、いいね」

「…ごめ、なさい」

千「Aが謝ることじゃないよ、トラブル。自分を責めるのはよくないよ、」

「でも、…っ、」

千「本当だったら、無理にでも止めたかった。
わたしも、同じことあったし、…だからこそ、こういうときは、謝るんじゃないの。」

「…ちあちゃん、…みんな、ありがとう」

浦「よし、いこう。ごめん、あとで伝えるから、みんなは先にホテル戻ってて。」

宇「…ちゃんと連れてくよ、リーダーよろしくね。」

みんなの優しさに触れて、
溜まってたものが一気に溢れ出して、
私は真司郎に抱き寄せられたまま、
泣いてしまった。

痛かったわけじゃない、
みんなに完璧なものを見せられなかった悔しさ、
みんなの優しさに触れた暖かさ、

それが嬉しかったんだ。

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