r a i n b o w _ (ページ23)

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19 ( side Nishijima. ) ページ23

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いつものように曲が始まり、
ふと気になったAのゴムのカラー。

見た時と色が変わってる、
その時はそんなことしか思えなかった。
特に気にもしてなかった。

MCもいつものように進んでいき、
順調のように思えた仙台のライブ。

Aのソロ前、
移動台の調子がわるいと、
スタッフが話していたから、
代わりにスタッフが押すので、
という事になったらしい。

ポップアップにスタンバイしているAを見つけて、
後ろから背中を叩くと、親指を立てる。

儚く、切ないバラード。
透き通る声、芯のある歌声が特徴で
俺はその歌声が好きだった。

ソロ曲を歌い終え、
A以外は次の曲のスタンバイ、
映像が音をつなぐ、

その時、遠くから聞こえる大きな、
何かが割れるような、そんな音が聞こえた。

千「…なに、今の」

宇「わからない、何か落ちた？」

浦「…客席からの声はないから、外ではなさそうだけど、」

ツアー中になかった音で、
メンバーにも不安がよぎる。

客席じゃない、スタッフならすぐに話が回るはず、
違う。でも、嫌な予感が、する。

Aが、遅い、

與「…A、遅ない？」

西「見てくる、」

浦「にっしー、駄目、動かないで」

みんなの不安が空気を纏う。
そんな時、スタッフが走ってスタンバイしている俺たちに駆け寄ってきた。

『伊藤さん、すみません、ちょっといいですか』

真っ青になってるスタッフが、
千晃だけ呼んで、少しだけ離れたところで話している。

その間にもAは来なくて、
メンバーが不安になってるのがわかる。

千晃が軽く頭を下げると、スタッフはまた慌てて
元いた場所に戻っていった。

振り返った千晃の顔が、
忘れられない。

宇「…千晃、」

浦「どうした、」

千「…、Aが、けが、して、…それで」

浦「落ち着いて、ゆっくり」

千「次の曲の、Aのパート代わりにできないかって言われて、…やりますしか言えなくて、」

宇「Aの怪我は？どうなの？なにがあったの？！」

日「宇野、落ち着いて、千晃に声あげても仕方ないから」

千「とりあえず、進めてくれって、」

浦「……、Aの要望だろう。とりあえずA抜きで、いこう。真司郎と、秀太は、千晃のカバーよろしく。いくぞ」

事情もわからないまま、
俺たちは、白色を抜いて、ステージに立った。

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