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悠仁君は私を待ってくれていたらしく、高校の話をちょこちょこ教えて貰いながら一緒に帰った。悠仁君のお爺さんには数年前お世話になった事があるので、今度見舞いに行きたいと言った時は悠仁君が花が咲いた様な笑顔を浮かべた。
じゃ、今度一緒に見舞い行こーぜ、と嬉しそうにしながら手を振って別れる。家に帰れば姉さんがソファで眠っており、今日は仕事早く終わったのかな、なんて思いながら姉さんに毛布をかけて冷蔵庫に買った食材を入れた。
風呂に入り、軽く食事を済ませて布団に入る。ググッと身体に力を入れて解してから布団に入ればリラックス出来た。久しぶりに悠仁君の顔を見れて良かった。
「…悠仁君も、いつか彼女出来るんだろうなぁ。」
アラサー手前だから、自分に彼氏が出来ないことと弟の様な存在の悠仁君に先に彼女が出来ることを考えるだけで焦ってしまう。早く良い人を見つけなくては、なんて思っていた時、記憶の片隅に放り込んでいたあの人の姿が脳裏に浮かび上がった。
「…忘れたかったんじゃないの。」
早く忘れてよなんて掠れた呟きは、ただ静かに空気に溶け込んでいった。
悠仁君と会ってから数日、私はまた書類整理に追われる日々を送っていた。業務時間が終わり次第直ぐに帰れるのは嬉しかったが、それを部長に咎められてしまった。どうして周りの奴らは残って仕事をしているのにお前は直ぐに帰ったんだ、と。
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muu(プロフ) - けさん» コメント気づかず、そして返信も遅れてしまい申し訳ありません。短編集公開の決め手はあなた様のコメントでした。嬉しいお言葉ありがとうございます。私の作品を探してくださってありがとうございます。け様こそこれから幸せでいてくださると私が嬉しいです。 (2023年4月2日 10時) (レス) @page45 id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
け - どんな回答であっても飲み込むつもりでいます。どうか御返事をお願い致します。そして、貴方のこれからに良き風が吹く事を願っております。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - そこから、「この作者の作品を全表示」から飛んでやっとの思いで短編集に辿り着く事が出来ました。ですが、パスワードが掛かっており、拝見出来る状態ではありませんでした。そこで冒頭でも言いました様に、パスワードを誠に恐縮ながら教えては頂けないでしょうか。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - 見終わっても何回も読み返す程でした。その時丁度スマホの機種を変えてしまって(引き継ぐのを忘れてしまって)主さんの作品と約一年程離れてしまいました。そして、何度か検索を繰り返しているうちにやっと主さんの短編集の関連作品と出会えました。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - 夜分遅くにすみません。お手数掛けますが、主さんの作品の一つである「大大大大大大大大大大大好き」という呪i術i廻i戦の短編集について、一つお伺いしても宜しいでしょうか。私は以前、(といっても大分前)にその作品が題名の通り大好きで、文字数↓ (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
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