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駅に着いて人混みに押される様に姉さんと一緒に電車に乗れば、人が多すぎるせいで扉に身体がピタリとくっついて少し窮屈だった。キョロキョロと辺りを見回して姉さんがちゃんと近くに居るか確認している最中、不意に視線を感じて窓から外を見た。
なんで、と思わず声を漏らす。人混みの中から飛び出す頭の持ち主は、私が昨日まで恋焦がれ、そして失望と絶望が混じり合った目で見てしまった相手と同じ髪色をしていた。
太陽の光に反射され、美しく輝く白い髪。そして、私を見つめる青い瞳。長く白い睫毛が青い瞳を更に美しく魅せている。その目と視線が混じり合って数秒、時間が止まっている様に錯覚してしまう程、私の脳は思考を停止させていた。
「_____。」
息をするのも忘れてしまう程に、彼の瞳に魅入ってしまっていた私は彼の口の動きで何を言ったのか理解してしまった。耳を塞ぎ、目を閉じて何も聴こえていない、見ていないと願えば願う程彼が脳裏に焼き付いて離れず、先程彼が発した言葉が鮮明に脳内に響く。
(違う、あり得ない、そんな訳ない。)
姉さんの声が小さくだが聞こえて顔を上げれば、焦った様な表情をした姉さんが居た。私の背中を摩りながら、駅のホームに居る人物を視界に捉えた瞬間彼を鋭く睨みつける。本当に、知らない間に姉さんは変わってしまったのだと痛感した。
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muu(プロフ) - けさん» コメント気づかず、そして返信も遅れてしまい申し訳ありません。短編集公開の決め手はあなた様のコメントでした。嬉しいお言葉ありがとうございます。私の作品を探してくださってありがとうございます。け様こそこれから幸せでいてくださると私が嬉しいです。 (2023年4月2日 10時) (レス) @page45 id: d72e1585a0 (このIDを非表示/違反報告)
け - どんな回答であっても飲み込むつもりでいます。どうか御返事をお願い致します。そして、貴方のこれからに良き風が吹く事を願っております。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - そこから、「この作者の作品を全表示」から飛んでやっとの思いで短編集に辿り着く事が出来ました。ですが、パスワードが掛かっており、拝見出来る状態ではありませんでした。そこで冒頭でも言いました様に、パスワードを誠に恐縮ながら教えては頂けないでしょうか。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - 見終わっても何回も読み返す程でした。その時丁度スマホの機種を変えてしまって(引き継ぐのを忘れてしまって)主さんの作品と約一年程離れてしまいました。そして、何度か検索を繰り返しているうちにやっと主さんの短編集の関連作品と出会えました。 (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
け - 夜分遅くにすみません。お手数掛けますが、主さんの作品の一つである「大大大大大大大大大大大好き」という呪i術i廻i戦の短編集について、一つお伺いしても宜しいでしょうか。私は以前、(といっても大分前)にその作品が題名の通り大好きで、文字数↓ (2022年7月28日 23時) (レス) @page1 id: 7bc13d5481 (このIDを非表示/違反報告)
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